南風

（2014年　日本・台湾）（上映時間1時間33分）
監督：萩生田宏治
出演：黒川芽以、テレサ・チー、郭智博、コウ・ガ、ザック・ヤン、佐々木大
介
＊シネマート新宿ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ　http://www.nanpu-taiwan.com/
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＜ストーリー＞
26歳の風間藍子（黒川芽以）は、恋人にフラれ、仕事もファッション誌の編集
者から単発の企画の編集者に異動させられる。そんな中、取材のために台北へ
やって来た彼女は、ひょんなことからファッションモデルを夢見る地元の女子
高生トントン（テレサ・チー）にガイドを頼むことになる。２人はサイクリン
グ・イベントを取材するため、開催地の日月譚を目指して自転車で旅するのだ
が……。

＜レビュー＞
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台湾の観光スポットを自転車でめぐる青春ロードムービー
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日台合作のロードムービー。監督は『帰郷』『神童』などの萩生田宏治。

恋に破れ、仕事も思い通りにならない編集者の藍子が、台湾に取材に来ます。
そこで、ひょんなことから、モデルを夢見るトントンという女の子にガイドを
頼むことになり、２人で自転車で旅します。目的地はサイクリング・イベント
が開かれる日月譚というところ……。

藍子とトントンが、車や列車ではなく自転車で旅をするという設定が効いてい
ます。風を感じながら、台湾の様々な観光スポットを回る２人。おかげで、観
客もリアルに旅している気分になれます。観光ガイド的な魅力を持つ映画です
ね。

とはいえ、観光ガイド的な要素だけでなく、ちゃんと青春ストーリーも展開し
ています。そのポイントは、藍子26歳、トントン16歳（21歳とウソをつくけ
ど）という年齢設定。大人未満のトントンの目線で、藍子との旅を生き生きと
描写。日本語、中国語、英語が入り乱れる会話が笑いを誘います。

途中からは同じく自転車で旅をする大学生や、彼のいとこの有名サイクリスト
も加わり、ロマンス的展開も加味。それらを通じて、藍子の再出発とトントン
の成長をクッキリと見せます。

そんなに大きな出来事は起きませんが、藍子の疾走から後日談（舞台は日本）
へとつなげるラストもなかなかのもの。

全体にソツなくまとめられた映画です。まさにタイトルの「南風」のように、
さわやかな青春ロードムービー。気楽に観ればそれなりに楽しめるはず。台湾
に興味のある方には特にオススメです。

主演の黒川芽以は2007年の『グミ・チョコレート・パイン』以来注目していま
すが、当時は初々しい高校生役が似合っていた彼女も、今やすっかり大人の女
優さん。そりゃあ、私も年取るはずです（笑）。

その相手役のテレサ・チーのカワイらしさも魅力。『トランスフォーマー／ロ
ストエイジ』にも出演しているそうです。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（80点）

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（田中ひろあき）

〔鑑賞データ〕
2014年7月14日（月）シネマート新宿にて。午後2時45分の回

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