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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅（NEBRASKA）
（2013年 アメリカ）（上映時間1時間55分）
監督：アレクサンダー・ペイン
出演：ブルース・ダーン、ウィル・フォーテ、ジューン・スキッブ、ステイ
シー・キーチ、ボブ・オデンカーク、アンジェラ・マキューアン、メアリー・
ルイーズ・ウィルソン、ランス・ハワード、デヴィン・ラトレイ、ティム・ド
リスコル
＊TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほかにて全国公開
ホームページ http://nebraska-movie.jp/
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＜ストーリー＞
モンタナ州に暮らす老人ウディ・グラント（ブルース・ダーン）は、「100万ド
ルの賞金が当たった」という、どう考えてもインチキな手紙を受け取る。それ
を信じ込み、はるか遠くのネブラスカまで歩いて賞金を受け取りに行こうとす
るウディ。息子のデイビッド（ウィル・フォーテ）は、仕方なく彼を車でネブ
ラスカまで連れて行くことにする。その途中で、ウディの生まれ故郷に立ち寄
るのだが……。
＜レビュー＞
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田舎町を舞台にした父と子のロードムービー
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『サイドウェイ』『ファミリー・ツリー』などでおなじみのアレクサンダー・
ペイン監督の映画。過去の作品と同様に、ほのぼのとした味わいを持った作品
です。
年老いた父親が、「宝くじに当選しました」という怪しげな手紙を受け取りま
す。すっかり信じ込んだ父親は、ネブラスカまで歩いて賞金を取りに行くと言
って聞きません。そこで、仕方なく息子が一緒に車で送ることにするのですが
……。
というわけで、年老いた父親と息子のロードムービーです。基本になるのは、
父と子が心を通わせるドラマですが、劇的なところはまったくありません。２
人の関係も別に仲違いしているわけでもなく、むしろ何となく見えない壁があ
る感じです。
旅の道中でも、ドラマチックな出来事は起きません。父の生まれ故郷に立ち寄
り、そこに親戚に加え、母や兄もやってきて食事をする程度。
それでも、何とも良い雰囲気が漂います。この映画の映像はモノクロ。おかげ
で、素朴でノスタルジックな空気がスクリーンを包みます。
さらに、過去のペイン監督の作品と同じようにオフビートの笑いが満載。頑固
な父と口の悪い母に振り回される息子、不気味な親戚の兄弟の言動など、ユー
モアに満ち満ちています。
そして、この映画のもう一つの大きな要素は、アメリカの片田舎の風景です。
活気のない町には老人ばかりが目につき、それ以外の大人も失業中だったりし
て。父が宝くじに当たったと知って、執拗にたかってくる知人たちの姿も、人
間の哀れさを感じさせます。そんな田舎町の様々な光景が、父と子の旅の背景
として、ピタッとはまっているから不思議なもの。
旅を通して、息子は父の過去の人生を少しだけ知ります。それをふまえて、ラ
ストでは息子がある仕掛けをします。あまりにも親孝行すぎる気はしないでも
ありませんが、親子の絆を示す粋な仕掛けなのは確かですね。
この映画で、カンヌ映画祭最優秀男優賞に輝いた父親役のブルース・ダーンの
いぶし銀の演技が光ります。同時に、その妻役のジューン・スキッブのハジケ
た演技にも注目。夫の賞金を狙う連中に「ファック・ユー！」と叫ぶのですか
ら。
とにかく、ほのぼのとして心にしみる映画です。後味はとっても良いです。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（92点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年2月28日（金）TOHOシネマズ シャンテにて、午後3時40分の回
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