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オー!ファーザー
（2013年 日本）（上映時間1時間41分）
監督・脚本：藤井道人
出演：岡田将生、忽那汐里、佐野史郎、河原雅彦、宮川大輔、村上淳、賀来賢
人、駿河太郎、古村比呂、長江英和、広岡由里子、長原成樹、榊原徹士、奥村
知史、内田慈、橋本マナミ、矢島健一、柄本明
＊角川シネマ新宿ほかにて全国公開
ホームページ http://www.oh-father.com/
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＜ストーリー＞
高校生の由紀夫（岡田将生）は、母親が４股していたせいで父親の可能性のあ
る人物が４人いた。しかも今も母親とともに４人全員と同居していた。そんな
ある日、由紀夫は鞄の盗難事件を目撃してしまう。それをきっかけに、由紀夫
の周囲で不可解な出来事が発生し、一家はとんでもない事件に巻き込まれてい
くのだが……。
＜レビュー＞
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４人の父親と息子が奇妙な事件に巻き込まれる
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人気作家・伊坂幸太郎の小説の映画化です。
主人公は男子高校生の由紀夫。彼が生まれる前に、母親は4股をかけていたため、
全員が父親候補として一緒に住んでいます。そんな中、由紀夫は鞄の盗難事件
を目撃。どうやら、それは知事選に絡んだ事件らしく、一家は大変な事態に巻
き込まれていきます。
4人の父と息子という奇妙な父子の絆が、事件を通して強まっていくというお話。
それにしても、設定が突飛すぎます。まあ、4人の父親というのは許すにしても、
それが全員一緒に住むなんて、ありえねぇ〜。おまけに展開もありえないこと
の連続。
まあ、別にありえないことでもいいんですけどね。それを通して、リアルな何
かが見えてくれば。でも、この映画には紋切り型の父子の絆の話があるだけで、
それ以外にはあまり伝わってくるものがありません。
おまけにサスペンスとしての魅力にも欠けます。不思議なことがいくつも起き
て、最後につながるという構図はわかるのですが、組み立て方が甘いから緊張
感もミステリアスさもなし。事件の動き出しも遅すぎますね。手旗信号とか、
テレビのクイズショーをうまく使ったりして、ネタ的には見どころがあるんで
すけど。
さらに、この映画は全体がコメディータッチなのですが、それにしては笑いど
ころが少ないし、あんまり笑えません。吉本興業製作なのにね。
リアリティーなし、面白くなし、笑いもなしでは、途中で飽きてしまいます。
演出はともかく、脚本がもうちょっと何とかならなかったものでしょうか（監
督と脚本の藤井道人はＣＭやＰＶのディレクターだそうですが）。たぶん原作
はかなり面白いのでしょう（未読ですが）。その面白さが生きていない感じで
す。
主演の岡田将生、4人の父親役の佐野史郎、河原雅彦、宮川大輔、村上淳、その
他にも、忽那汐里、古村比呂、広岡由里子、柄本明などキャストもいいだけに、
もったいない。
『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ゴールデンスランバー』など、伊坂作品
の映画化には面白い作品がたくさんありますが、私的にはこの映画はハズレで
した。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆
（60点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★☆☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年5月28日（水）ヒューマントラストシネマ有楽町にて午前11時50分の回
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