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プリズナーズ（PRISONERS）
（2013年 アメリカ）（上映時間2時間33分）
監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演：ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ヴィオラ・デイヴィ
ス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード、メリッサ・レオ、ポール・ダノ
＊新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://prisoners.jp/
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＜ストーリー＞
ペンシルヴェニア州の田舎町。感謝祭の日、ケラー（ヒュー・ジャックマン）
の６歳になる娘が、隣人の娘と一緒に忽然と姿を消してしまう。警察は現場近
くで目撃された怪しげなＲＶ車に乗っていた青年アレックスを逮捕する。だが、
アレックスは10歳程度の知能しかなく、まともな証言も得られないまま証拠不
十分で釈放される。刑事ロキ(ジェイク･ギレンホール)の対応に不満を持つケ
ラーは、アレックスが誘拐犯だと確信し、娘を助け出すために彼を監禁してし
まう……。
＜レビュー＞
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娘を誘拐され暴走する父親と冷徹な刑事。最後までゾクゾクしっ放し
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2010年の『灼熱の魂』が第83回アカデミー外国語映画賞にノミネートされたカ
ナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴがハリウッドで撮った作品。２時間半の長尺
にもかかわらず、最後まで緊張感が持続する破格の映画です。
主人公ケラーの娘が友達とともに姿を消し、10歳程度の知能しかない青年が逮
捕されます。しかし、証拠不十分で釈放に。ですが、彼が誘拐犯に間違いない
と確信する父親は、監禁して娘の居場所を吐かせようとします……。
サイコな雰囲気に満ちたサスペンス・スリラーです。見どころは、まず謎解き
のミステリーとしての面白さ。いったい２人の少女はどこへ消えたのか？生き
ているのか？ジェイク・ギレンホール演じる刑事が謎に迫ります。その過程で
は、怪しい神父や幼児性愛者らしき青年などが登場して、謎を深い霧に包み込
んでしまいます。二転三転する展開でまったく先が読めません。
そして、もう一つの見どころは、ヒュー・ジャックマン演じる父親が、娘かわ
いさのあまり常軌を逸した行動に出るところ。これ、はっきり言ってエグイで
す。「いくら娘がかわいいからと言って、こんなことまでするか？」というぐ
らいの行動。しかし、そこにもう１人の娘の父母などをうまく絡ませて、「じ
ゃあ、あなたならどうするの？」という切実な問題提起につなげていきます。
子供のいない私でさえ切実に感じるのだから、子供のいる人の心理は推して知
るべしですよねぇ〜。
合間にキリスト教の言葉をはさみこんで、人間の善と悪、心の闇と光のような
ものもチラチラと浮かび上がらせています。
それにしても全編を包む危険で怪しい雰囲気ときたら。人物の感情描写も的確。
脚本、演出ともに素晴らしいです！
狂気に走るヒュー・ジャックマン、クールながら抑えた感情が時に暴発するジ
ェイク・ギレンホールの演技も見事。対照的な２人の演技が、この映画をさら
に面白くします。
やがて明らかになる事件の真相。「え！まさか」と思いつつ、よく考えればち
ゃんと伏線が張られていて納得。さらに、ラストも憎い仕掛けです。あの小道
具をあんなふうに使うとは。
最初から最後までゾクゾクしっ放しでした。この手のサスペンス・スリラーと
しては間違いなく一級品です。全体に暗いし、エグいところも多いけれど、観
る価値は十分にありますヨ。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（93点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年5月6日（火）シネマ・ロサにて。午後２時の回
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