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セインツ 約束の果て（AIN'T THEM BODIES SAINTS）
（2013年 アメリカ）（上映時間1時間38分）
監督・脚本：デヴィッド・ロウリー
出演：ケイシー・アフレック、ルーニー・マーラ、ベン・フォスター、ネイ
ト・パーカー、ラミ・マレック、キース・キャラダイン、ロバート・ロングス
トリート、チャールズ・ベイカー、ケンタッカー・オードリー
＊シネマート新宿ほかにて公開
ホームページ http://www.u-picc.com/saints/
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＜ストーリー＞
1970年代のテキサス。強盗を重ねるボブ（ケイシー・アフレック）とルース
（ルーニー・マーラ）のカップルだが、保安官たちに包囲されてしまう。銃撃
戦の中でルースの撃った銃弾が若い保安官パトリック（ベン・フォスター）の
肩に命中してしまう。ボブは妊娠中のルースをかばって罪を負い刑務所に入る。
４年後、４歳になる娘と静かに暮らすルースに、彼女に思いを寄せるパトリッ
クが、ボブが脱獄したと告げる……。
＜レビュー＞
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強盗カップルの悲しく切ない運命が心にしみる
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1970年代のテキサスで強盗を働くカップルが保安官たちに包囲され銃撃戦にな
る……とくれば、名作『俺たちに明日はない』のボニー＆クライドを連想しま
すが、この映画はまったく違います。活劇シーンはほんの少しだけ、あとは静
かで切ないドラマが進行します。
保安官を撃った妊娠中の女ルースをかばって、代わりに刑務所に入った男ボブ。
数年後、娘と静かに暮らしていたルースのところに、ボブが脱獄したという知
らせが入ります。それを知らせたのは、かつて銃撃戦で負傷し、今はルースに
思いを寄せる保安官のパトリック……。
この映画で最も目を引くのが映像の素晴らしさです。冒頭の事件前のカップル
のシーンでは、逆光を巧みに使って２人の輝きを見せ、その後は暗めの映像で
ボブ、ルース、パトリックの言動とその裏にある微妙な心情を切り取っていき
ます。
いろんな人が言っていますが、ちょっとテレンス・マリック風の映像なんです
よね。それが、このドラマにはピッタリ。テキサスの草原などの風景も、効果
的に使われています。どのシーンも、隅々まで配慮された絵画のような出来栄
えです。控えめながら、ちゃんと自己主張している音楽の使い方もいいですね。
何としてもルースに会いに行こうとするボブ、愛するがゆえに彼の考えとは違
う行動をとろうとするルース、そしてルースへの秘めた思いを抱えつつ彼女を
見守るパトリック。三者の思いが交錯して、ドラマはヤマ場を迎えます。
そこで何が起きるかは伏せますが、ラストの映像も見事です。かつてのお腹の
大きなルースとボブのシーンをはさみながら、切なさと悲しみを醸し出します。
そして、ルースの娘を抱いて外に出るパトリックの気遣いが心にしみます。パ
トリック、あんたは最高だぜ！
ボブ役は『ジェシー・ジェームズの暗殺』のケイシー・アフレック、ルース役
は『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラ、この２人に加え、パトリ
ック役のベン・フォスターの演技も光ります。
地味ですが、切なさと悲しさが心にしみる映画です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年4月7日（月）シネマート新宿にて。午後2時35分の回
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