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スノーピアサー（SNOWPIERCER）
（2013年 韓国・アメリカ・フランス）（上映時間2時間5分）
監督・脚本：ポン・ジュノ
出演：クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、ティルダ・スウィントン、ジェイ
ミー・ベル、オクタヴィア・スペンサー、ユエン・ブレムナー、アリソン・ピ
ル、コ・アソン、ジョン・ハート、エド・ハリス
＊TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://www.snowpiercer.jp/
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＜ストーリー＞
2014年7月、地球温暖化を食い止めるために散布された人工冷却物質は、地球に
氷河期をもたらし、ほとんどの生物は死に絶える。わずかに生き残った人類は、
「スノーピアサー」と呼ばれる永久機関を持つ列車に乗り込む。それから17年
後の2031年、１年をかけて地球を１周するスノーピアサーの前方車両では富裕
層が優雅に暮らす一方、後方車両に隔離された貧困層は劣悪な環境で虐げられ
ていた。そんな中、最後尾に乗るカーティス（クリス・エヴァンス）たちは革
命を起こすのだが……。
＜レビュー＞
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ポン・ジュノ監督が描く近未来社会の革命
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『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』『母なる証明』など話題作を次々に
送り出してきた韓国のポン・ジュノ監督が、フランスのＳＦコミックを映画化
しました。韓国・アメリカ・フランスの製作で、ポン・ジュノ監督にとって初
の英語劇となります。
2014年7月（て、もうすくじゃん！）、人類は地球温暖化阻止のため冷却物質を
散布。ところが、それが氷河期を招き、生物は死滅してしまいます。わずかに
生き残った人々は、永久機関を積んだ列車「スリーピアサー」に乗り、地球を
回り始めます。それから17年後のお話。
いわば、スノーピアサーは「ノアの方舟」。ただし、その車には厳然とした階
級社会があります。先頭のほうに乗る富裕層は、後方の車両の貧困層を虐げて
います。そんな中、カーティスという男が先頭に立って革命を起こします。
というわけで、後方車両の貧困層が、先頭車両にいる支配者のところを目指す
展開。当然ながら、そこには激しいバトルがあります。ガンアクション、格闘
などアクションシーンが満載です。
元々映像には定評があるポン・ジュノ監督だけに、こういうタイプの映画でも
映像の力は圧倒的。スピーディーでスリリングで力感あふれる映像の連続です。
車内の様々な場面だけでなく、窓から見える凍てついた世界の映像なども印象
的。
ＳＦらしいデフォルメされたキャラの人物が効果的に使われています。特にテ
ィルダ・スウィントン演じる総理のオーバーな言動が笑いを誘います。ソン・
ガンホとコ・アソン（『グエムル』のあの女の子が大成長！）のヤク中の親子
も大活躍。ちなみに、ソン・ガンホはほとんど韓国語で、英語はナシでした。
それ以外のキャストも注目。ジョン・ハート、エド・ハリスのベテランを筆頭
にクリス・エヴァンス、ジェイミー・ベル（『リトル・ダンサー』だ！）、オ
クタヴィア・スペンサー、ユエン・ブレムナー、アリソン・ピル……って、
何？この豪華さ。
苦難を乗り越え、どんどん前方車両へと進む革命勢力。その途中には水族館だ
の（鮨屋も併設）、学校だの、歯医者だの、美容室まであります。まあ、ＳＦ
アクションとしてはやや間延びする感じもありますが、ＳＦファンタジー的な
ヘンな近未来世界が、良いアクセントになっています。
ラストはいよいよ先頭車両へ。そこで明かされる意外な事実。なるほどねぇ。
そういうことでしたか。もう１人の黒幕はあの人だったのね……。その後は、
新しい世代に希望を託しながら、余韻を残してジ・エンド。
地球温暖化や格差社会などの社会的なネタも横たわっていますが、あんまりそ
ういうことを気にせずに楽しく観たほうがいいでしょう。重たい人間ドラマか
ら、こういうエンタメまで撮ってしまうポン・ジュノ監督のスゴサに今さらな
がら感心。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（90点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年2月9日（日）角川シネマ有楽町にて。午後１時40分の回
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