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捨てがたき人々
（2012年 日本）（上映時間2時間3分）
監督：榊英雄
出演：大森南朋、三輪ひとみ、内田慈、滝藤賢一、佐藤蛾次郎、諏訪太朗、寺
島進、荒戸源次郎、伊藤洋三郎、美保純、田口トモロヲ
＊テアトル新宿ほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://sutegatakihitobito.com/
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＜ストーリー＞
金も仕事もなく、無為な日々を送る狸穴勇介（大森南朋）。生まれ故郷へと戻
ってきた彼に、誰も近づこうとしなかった。そんな中、新興宗教に傾倒し、顔
に大きなアザを持つ女、岡辺京子（三輪ひとみ）だけが、彼に笑顔を向ける。
そんな京子を力づくで自分のものにしようとする勇介だったが……。
＜レビュー＞
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メチャクチャな人たちを通して描く人間の奥底
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俳優でもある榊英雄が、ジョージ秋山の漫画を映画化。ジョージ秋山は、「銭
ゲバ」「アシュラ」など相当に癖のある作品を描く人ですが、この映画もかな
りのクセモノです。
主人公は前科者らしい勇介という男。死に場所を求めて故郷の長崎・五島に流
れてきたものの、相変わらず金も仕事もなく怠惰な日々を過ごします。彼に残
っているのは性欲のみ。まあ、とにかくサイテーの男なんです。
そんな彼に好意的に接してくれた京子という女。ところが、彼はレイプまがい
の強引さで関係を持ってしまいます。まもなく彼女は妊娠して……。
R18だけにセックスシーン満載の映画。大森南朋演じる勇介と京子（三輪ひとみ
という女優がミョーにエロい……）のセックスはもちろん、なんとあの美保純
までもが！ 彼女のセックスシーンなんて何十年ぶりでしょう。
とはいえ、ただエロいだけの映画ではありません。主人公の勇介に加え、周囲
の人々もけっこうメチャクチャ。そんな人間の嫌な面を「これでもか！」と見
せつけながら、「生きるとは？」「死ぬとは？」「幸せとは？」といった人生
に関する様々な問いを投げかけてきます。
もちろん、そんなものに明確な答えなど出せるわけがないので、「あとは自分
で考えて」と放り出しているのですが（結末も明確ではありません）、マジメ
に作っている映画なのはよくわかりました。
やや気になるのは、何だか唐突なところがあったりして、全体の練り上げが足
りないところでしょうか。
何しろエロいし、万人受けする映画ではありませんが、人間の奥底をえぐり出
そうとしている意欲は十分に買えますね。そういう映画に興味のある方はどう
ぞ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（88点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2013年10月20日（日）東京国際映画祭にて
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