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ザ・イースト（THE EAST）
（2013年 アメリカ）（上映時間1時間56分）
監督：ザル・バトマングリッジ
出演：ブリット・マーリング、アレキサンダー・スカルスガルド、エレン・ペ
イジ、パトリシア・クラークソン、トビー・ケベル、シャイロー・フェルナン
デス、オルディス・ホッジ、ジェイソン・リッター、ジュリア・オーモンド、
ビリー・マグヌッセン
＊TOHOシネマズシャンテ、シネマカリテほかにて公開
ホームページ http://www.foxmovies.jp/theeast/
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＜ストーリー＞
元ＦＢＩエージェントのジェーン（ブリット・マーリング）は、大企業をクラ
イアントに持つセキュリティ会社で潜入捜査をしていた。ある時、環境破壊を
行う企業に対して過激な報復活動を行う謎の環境テロ集団「イースト」への潜
入を命じられる。サラと名乗り、イーストとの接触に成功したジェーン。彼ら
と行動を共にするうち、その理念に正当性を感じるようになり、リーダーのベ
ンジー（アレクサンダー・スカルスガルド）にも惹かれていくのだが……。
＜レビュー＞
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社会的テーマも持ったスリリングな潜入サスペンス
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潜入調査をめぐるサスペンスです。潜入モノといえば、ヤクザか警察というの
が通り相場ですが、この映画は環境テロ集団という珍しいネタ。
主人公のジェーンという女性は、元ＦＢＩエージェントで、大企業をクライア
ントに持つセキュリティ会社で潜入捜査を担当。命令によって、悪行を働く企
業に対して報復をする謎のテロ集団「イースト」に潜入します。
というわけで、潜入先がヤクザや警察ではなく謎のテロ集団なものだから、何
が起きるのか先が読めません。リーダーはじめ怪しい連中が次々に登場して、
怪しい行動を繰り広げます。特にテロの標的や計画がギリギリまでわからない
ので、つい引き込まれてしまいます。
彼らの報復のターゲットは３つの会社。その計画が少しずつ進展するうちに、
テロ集団のメンバーたちの複雑な背景などもチラチラと見えてきます。単にテ
ロ集団と断罪するのではなく、彼らが抱えた怒りや葛藤なども描いてドラマに
厚みを出しています。
同時に彼らのターゲットになる企業の悪行ぶりも、容赦なく暴き出します。主
人公が所属するセキュリティ会社の、貪欲すぎるビジネスなども描写。このへ
んの複眼的な視点が実に良い感じです。
当然ながら潜入ものの常道として、「身元がバレるのでは？」というネタもス
リリングに描かれます。そして、潜入を続けるうちに彼らの主張と本来の任務
のはざまで揺れ動く、主人公の葛藤もキッチリと描かれます。
それがやがてギリギリの決断として現れるのが、クライマックスの展開。３つ
めのテロを前にして、主人公は大きな決断を迫られます。ここもまたハラハラ
ドキドキの展開。
ラストはややバタバタするものの、作り手の意図は十分に反映された結末です。
儲けのことしか考えない企業、報復活動に突っ走るテロ集団など、現在の世の
中をそのまま活写したような社会的素材を盛り込みつつ、サスペンスとしての
面白さをキープし続ける脚本が見事。
なんとこの脚本、主演のブリット・マーリングが、監督のザル・バトマングリ
ッジと共同で書いたそうです（ついでに製作も担当）。うーん、なんだかすご
い才能。今後も楽しみです。ドキュメンタリータッチを交えた映像もよかった
です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（90点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年2月13日（木）シネマカリテにて。午後2時の回
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