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友よ、さらばと言おう（MEA CULPA）
（2014年 フランス）（上映時間1時間30分）
監督：フレッド・カヴァイエ
出演：ヴァンサン・ランドン、ジル・ルルーシュ、ナディーン・ラバキー、ジ
ル・コーエン、マックス・ベセット・ドゥ・マルグレーヴ、メディ・サドゥン、
ヴェリボール・トピッチ
＊新宿武蔵野館ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://www.tomoyo-saraba.com/
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＜ストーリー＞
南フランスのトゥーロン警察で長年コンビを組んできたシモン（ヴァンサン・
ランドン）とフランク（ジル・ルルーシュ）。ところがある日、シモンが飲酒
運転で人身事故を起こして服役してしまう。６年後、出所したシモンは警備会
社に雇われるが、妻とは離婚。うらぶれた暮らしをする。そんなある日、最愛
の息子テオが殺人現場を目撃して、マフィアから命を狙われる。シモンはフラ
ンクに協力を仰ぎ、マフィアに戦いを挑むのだが……。
＜レビュー＞
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ノンストップ・アクションと男の哀愁が漂うノワール
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邦題からして、いかにもフレンチ・ノワール！ 『すべて彼女のために』『こ
の愛のために撃て』と、ノワール映画の快作を送り出してきたフレッド・カヴ
ァイエ監督の新作です。
主人公は元刑事のシモン。交通事故を起こして刑務所に入り、警察をクビにな
り、妻とも離婚してサエない日々。そんなある日、彼の息子が殺人現場を目撃
し、マフィアに追われることになります。そこでシモンは、かつての警察時代
の相棒のフランクの協力でマフィアに戦いを挑みます……。
愛するもののために主人公たちが命がけで闘うというのは、前2作と同じ展開。
そして、哀愁漂うフレンチ・ノワールと、ハリウッド顔負けのアクションを融
合しているのも、カヴァイエ作品の特徴です。
出だしから暗く、重たい雰囲気が漂います。それはそうですよね。シモンは心
に大きな傷を負っているわけですから。そして、まもなく息子が誘拐されると
いう衝撃の出来事が。そこでのハイライトは、闘牛場での息子とマフィアとの
スリリングな追いかけっこ。ハラハラドキドキのシーンの連続です。
これをきっかけに、シモンはかつての相棒のフランクとともにマフィアに戦い
を挑みます。ここでの見せ場はナイトクラブでのド派手な銃撃戦。
さらに、元妻と息子を遠くへ逃がすため2人と一緒にＴＧＶに乗るシモン。とこ
ろが、列車にはマフィアも乗り込んでいて……というので、ここからまたスリ
リングすぎるアクションが展開。ノンストップで一瞬も息がつけません。
ただし、ただハラハラさせるだけでなく、最後にはきちんと哀愁を漂わせるの
がカヴァイエ監督らしいところ。最後のほうで、シモンが起こした交通事故の
裏に隠された真実を明らかにし、シモンとフランクの友情をクッキリと印象付
けます。切なすぎるラストシーンもたまりません。
話自体はありがちだし、都合よすぎる展開もあるけれど、そういうことを感じ
させない面白さがあります。主演の2人、ヴァンサン・ランドン、ジル・ルルー
シュ（過去2作の主演俳優が共演）もいいですね。どちらもシブくて男臭い。こ
れが若いイケメンなんかだったら台無しですもん。
ハリウッド映画とは一味違うサスペンス・アクション。カヴァイエ節がますま
す冴えわたっています。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（88点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2014年8月7日（木）新宿武蔵野館にて。午後3時15分の回
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