|
エイプリルフールズ
（2015年 日本）（上映時間1時間58分）
監督：石川淳一
出演：戸田恵梨香、松坂桃李、ユースケ・サンタマリア、小澤征悦、菜々緒、
戸次重幸、大和田伸也、寺島進、山口紗弥加、滝藤賢一、千葉真一、高嶋政伸、
りりィ、岡田将生、生瀬勝久、小池栄子、木南晴夏、古田新太、富司純子、里
見浩太朗
＊TOHOシネマズ日本橋ほかにて全国公開
ホームページ http://www.aprilfools.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
対人恐怖症の清掃員・新田あゆみ（戸田恵梨香）は、一夜限りの相手である天
才外科医の牧野亘（松坂桃李）に電話で妊娠を告げるが、牧野はエイプリル
フールの冗談だと思い取り合わない。埒があかないと、牧野のもとへと向かう
あゆみだったが……。一方、高貴な身分らしい櫻小路夫妻（富司純子、里見浩
太朗）は、気ままな休日を満喫するのだが……。さらに、ヤクザの宇田川（寺
島進）は、小学生の理香を誘拐するのだが……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
エイプリルフールをネタにしたコメディータッチの群像劇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
エイプリルフールに、エイプリルフールをネタにした映画を公開するという商
売上手。たぶん来年のエイプリルフールあたりに、テレビ放映されるでしょう。
なんたってフジテレビが製作ですからね。
エイプリルフールについた７つの嘘が発端となった、７つのエピソードで構成
されたコメディータッチの群像劇です。
１個目のエピソードは、対人恐怖症の清掃員のあゆみが、一夜限りの相手であ
る天才外科医（明らかに嘘）の亘に妊娠を告白。しかし、埒があかないため、
美人キャビンアテンダントとイタ飯中の亘のもとを直撃。そこで起きるスッタ
モンダの大騒動が描かれます。
それと並行して描かれるのが、高貴な身分らしい櫻小路という熟年夫妻の謎の
行動。そして、小学生の女の子を誘拐したヤクザのこれまた謎の行動。その他、
自分は宇宙人でもうすぐ迎えが来ると信じ込んだ中学生の話、インチキ新興宗
教の女教祖と不気味な刑事の話、もしかしてゲイのカップル？という大学生の
話などなど。どれも嘘が重要なカギになっています。
こんなにたくさんの人が登場して、たくさんのドラマが展開されるのに、まっ
たく混乱しないから偉いもの。最初からバレバレの嘘が多いのに、先の読めな
い展開で飽きることがありません。おまけに、７つのエピソードをうまくつな
げる巧みなワザ。さすがに『リーガルハイ』の売れっ子脚本家・古沢良太が脚
本を担当しただけのことはありますね。
そんな中で前面に出ているのは笑いです。ユニークな人物のキャラを生かした
ベタな笑いが多いので、誰でも笑えるはず。特にあゆみが籠城したレストラン
での大立ち回りは、爆笑の連続。
そして、終盤は感動の要素も盛り込みます。あゆみと亘の関係の変化、ヤクザ
による誘拐の裏にあるもの、熟年夫婦の隠された真実などを通して、ほっこり、
しみじみした感動を与えます。
とはいえ、どのエピソードも人間ドラマとしては薄っぺらでステレオタイプ。
特に見るべきものはないし、すぐ忘れてしまうような話ばかりです。心に響く
ものは、これっぽっちもありません。
まあ、それでも観ているうちは無条件に楽しいので、単純に映画に楽しさだけ
を求める人は満足できるのではないでしょうか。若手からベテランまで、役者
たちがみんな生き生きと演技しているのも楽しいしね（個人的には戸田恵梨香
が、予想外に良い女優になっていたのにビックリ）。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆
（70点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★☆☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
2015年4月1日（水）新宿ピカデリーにて。午前11時50分の回
[「え」のページ] |
|