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無頼漢 渇いた罪（THE SHAMELESS）
（2015年 韓国）（上映時間1時間59分）
監督・脚本：オ・スンウク
出演：チョン・ドヨン、キム・ナムギル、パク・ソンウン、クァク・ドウォン、
キム・ミンジェ
＊シネマート新宿ほかにて公開
ホームページ http://www.finefilms.co.jp/buraikan/
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＜ストーリー＞
殺人事件の容疑者ジュンギルを追う刑事ジェゴン（キム・ナムギル）は、ジュ
ンギルの恋人であるバーのママ、ヘギョン（チョン・ドヨン）に接近するため、
ジュンギルの元刑務所仲間を装って彼女の店に出入りするようになる。だが、
彼は次第にヘギョンに惹かれていく。一方、ジュンギルの帰りを待ち続けるヘ
ギョンも、ジェゴンに少しずつ心を開いていくのだが……。
＜レビュー＞
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刑事と容疑者の恋人との危険な関係。熟女の魅力がたっぷり
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単純に言えば、刑事と容疑者の恋人との恋愛劇。それは許されない関係であり、
同時にお互いの立場から虚々実々の駆け引きが行われます。
こういうネタ自体は珍しくありませんが、この映画のミソは刑事のジェゴンも、
容疑者の恋人のヘギョンも幅のあるキャラクターとして描かれているところ。
ジェゴンは犯人を追い詰めるためには強引な捜査も厭いません。しかも、ワル
組織から無茶な要求をされて悩んでいます（それは彼の属する組織自体の問題
でもありますが）。さらに、元妻との微妙な関係にも悩んでいるらしい。冷酷
非情な悪党刑事っぽい雰囲気を漂わせつつ、それとは違う顔もチラチラ見せま
す。
一方、容疑者の恋人ヘギョンは、盛りを過ぎたバーのママ。借金まみれで、犯
罪者に入れあげているという負のオーラ満載の女性。悪女的なところもあるし、
それとは違うピュアな感じも見せたりします。
この２人が触れ合うことで、俄然ドラマが奥行きを持つようになります。特に
２人が距離を縮めるあたりの描写が見事。ジェゴンはヘギョンの留守宅に侵入
したり、盗聴するうちに次第に彼女に関心を持ち、妖しい魅力にとりつかれて
いきます。
何しろヘギョンを演じているのがチョン・ドヨンですからねぇ。イ・チャンド
ン監督の『シークレット・サンシャイン』でカンヌ国際映画祭主演女優賞に輝
いた名女優。いろいろなものを背負ってもがくヘギョンを、妖しく官能的に演
じています。
いやぁ〜、たまらんですなぁ。若いおネエちゃんにはない魅力がたっぷり。ジ
ェゴンが彼女にはまっていくのも納得です。恋人の帰りを待ち続けながらも、
ジェゴンに少しずつ心を開いていくあたりの演技も見事。
とはいえ、ジェゴンはやはり刑事であり、ヘギョンは容疑者の恋人。というこ
とで、最後には哀しく切ない別れが……。
と思ったら、あららららら。そうきましたか。ラストに用意されたのは意外な
後日談。いかにも韓国映画らしいドロドロした情念が渦巻く、衝撃の展開が待
っていました。これはちょっと予想できませんでしたね。
まあ、それにしてもチョン・ドヨンは相変わらずスゴイわ。若くてきれいな女
優はたくさんいますが、こういうタイプの女優さんはなかなかいません。彼女
の出演作はやはり要チェックです。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（88点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年10月9日（金）シネマート新宿にて。午後2時35分の回
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