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チャップリンからの贈りもの（LA RANCON DE LA GLOIRE）
（2014年 フランス）（上映時間1時間55分）
監督：グザヴィエ・ボーヴォワ
出演：ブノワ・ポールヴールド、ロシュディ・ゼム、キアラ・マストロヤンニ、
ピーター・コヨーテ、セリ・グマシュ、ナディーン・ラバキー、ドロレス・チ
ャップリン、ユージン・チャップリン
＊YEBISU GARDEN CINEMAほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://chaplin.gaga.ne.jp/
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＜ストーリー＞
1977年、スイス・レマン湖畔。出所したばかりのお調子者のエディ（ブノワ・
ポールヴールド）は、親友のオスマン（ロシュディ・ゼム）に出迎えられる。
だが、オスマンは幼い娘を抱え、妻は入院中で医療費が払えず困っていた。そ
んな中、テレビでチャップリン死去のニュースが報じられる。エディは、その
棺を墓場から盗み出し、身代金を取ろうと持ちかける。最初はためらうオスマ
ンだが、結局計画に加わることになる……。
＜レビュー＞
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チャップリンへのオマージュが詰まった遺体誘拐劇
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喜劇王チャップリンの遺体誘拐事件という実際に起きた事件をもとにした映画。
とはいえ、史実を忠実に追うのではなく、チャップリンへのオマージュをふん
だんに盛り込むなど、楽しくてハートウォームなドラマに仕上げています。
刑務所から出てきたばかりのエディを出迎える親友のオスマン。しかし、２人
とも貧しく、特にオスマンは幼い娘を抱えて、妻は入院中。その医療費が払え
ず困っていました。そんな中、チャップリン死去のニュースが飛び込み、遺体
が近くに埋葬されると知ったエディは、棺をさらって身代金を取ることを計画。
オスマンを仲間に引き入れて計画を実行します。
しかし、この２人の犯行ときたら、ずさんというかおマヌケというか、どうし
ようもないんです。おかげで、そこから自然な笑いが生まれます。特に身代金
要求の電話のやり取りは爆笑もの。相手方の秘書なども強烈な個性の持ち主な
ので、ますます笑ってしまうわけです。
チャップリン作品の映像をそのまま使うなど、チャップリン映画のエッセンス
がたっぷりなのも特徴。なので、チャップリンの作品を知っている人は、何倍
も楽しめる仕掛けになっています。後半、エディがサーカス団に入って道化師
になるあたりも、なかなか楽しい展開ですね。
チャップリンの作品といえば、ヒューマニズムにあふれたものが多いわけです
が、この映画も全編がヒューマニズムにあふれています。「彼はいつも弱者の
味方」というセリフそのままに、貧しくてドジな２人の犯罪者を温かな視点で
見つめ、ラストには小粋なプレゼントまで用意します。ちょっぴり人生の悲哀
を漂わせつつ、後味よく幕が閉じられます。
巨匠「ライムライト」の「テリーのテーマ」を編曲したミシェル・ルグランの
音楽も印象的。チャップリンの孫娘や四男も脇役で出演。チャップリンが観た
ら、きっと喜びそうな映画ですね。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（86点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
2015年7月19日（日）YEBISU GARDEN CINEMAにて。午後3時30分の回
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年6月8日（月）角川シネマ新宿にて。午前11時50分の回
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