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午後３時の女たち（AFTERNOON DELIGHT）
（2013年 アメリカ）（上映時間1時間38分）
監督・脚本：ジル・ソロウェイ
出演：キャスリン・ハーン、ジュノー・テンプル、ジョシュ・ラドナー、ジェ
シカ・セント・クレア、ミカエラ・ワトキンス、ジョシュ・スタンバーグ、ジ
ョン・カペロス、キーガン＝マイケル・キー、アニー・マモロー、スージー・
ナカムラ、ノア・ハープスター、ユージン・コルデロ、ジェーン・リンチ
＊ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://www.gogo3ji.com/
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＜ストーリー＞
専業主婦のレイチェル（キャスリン・ハーン）は、夫と息子に囲まれ、何不自
由ない生活を送っているように見えた。だが、実は夫とのセックスレスに悩み、
退屈な日常に不満を感じていた。そんなある日、友人たちと息抜きに訪れたス
トリップクラブで出会った若いストリッパー、マッケナ（ジュノー・テンプ
ル）と街中で偶然再会する。住むところがないマッケナを自分の家に住まわせ
るレイチェル。ところが。マッケナはストリッパーだけでなく娼婦としても働
いていた。やがて奔放なマッケナとの同居生活は、レイチェルの日常に大きな
波紋を広げていく……。
＜レビュー＞
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悩めるアラフォー主婦の日常がコワれていく
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2013年のサンダンス映画祭で監督賞を受賞した映画。何不自由なく暮らしてい
るように見える上流階級の専業主婦も、実はけっこう大変だというお話です。
なんでも、クエンティン・タランティーノが2013年のベスト映画10の1本に選出
したそうです。
主人公は、ＩＴ関係の仕事をする夫と子供に囲まれた専業主婦のレイチェルと
いう女性。周囲の有閑マダムたちとともにパーティーだの、ボランティア活動
だので一見幸せそう。ところが、冒頭近くでセックスレスで悩んでいることを
カウンセラーに告白。しかも、自分は午後にエッチしたいのに、夫は夜にした
がる……なんて話まで飛び出します。
なんじゃ？そりゃ。と思ったのですが、どうやらそれは単なるセックスの悩み
というよりも、女性としての魅力を失っていくことに対する不安など、様々な
感情が象徴された悩みのようです。
特に面白いのが「見つめ合う」という表現がたびたび出てくるところ。「セッ
クス中に見つめ合っているか？」てな話が出てくるし、パーティーで「ちゃん
と目と目を合わせてよ！」てなセリフも出てくるし。これって、夫婦間やご近
所さんとのコミュニケーションの不全を表現してるのかしら？だとしたら、け
っこう重たいテーマに迫った映画かもしれません。
とはいえ、全体はコメディータッチで笑えるところがけっこうあります。なに
しろストーリー展開もかなりぶっ飛んでいます。レイチェル夫婦は友達夫婦と
シャレでストリップクラブに行き、そこで知り合ったマッケナという若いスト
リッパーが住むところがないと知ると、レイチェルは勝手に彼女を空き部屋に
住まわせます。
レイチェルがマッケナを家に呼ぶ理由もなかなか複雑。根底には「困った人を
助けたい」精神があるのですが、それよりなにより「つまらん日常がこれで変
わらないかなぁ〜」的な願望がチラチラ見えます。
ところが、なんとマッケナはただのストリッパーではなくコールガール。それ
がもとでやがて平穏だったレイチェル夫婦やご近所さんとの関係はメタメタに
なるのでした。
揺れ動くアラフォー専業主婦のレイチェルが、だんだんコワれていくところが
この映画の見もの。演じるキャスリン・ハーンがなかなか良い演技を見せてい
ます。微妙な表情やしぐさで、レイチェルの心を表現。カメラも彼女のアップ
を多用して、その微妙な心理を切り取ります。
ラストにはちゃんと救いが用意されています。さらなる暴走を期待する人は拍
子抜けしそうですが、現実を直視して生き直そうとするレイチェル夫婦の姿に
は、それなりに好感が持てましたネ。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（85点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年11月13日（金）ヒューマントラストシネマ渋谷にて。午後12時40分の回
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