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イニシエーション・ラブ
（2015年 日本）（上映時間1時間50分）
監督：堤幸彦
出演：松田翔太、前田敦子、木村文乃、三浦貴大、前野朋哉、森岡龍、矢野聖
人、藤原季節、吉谷彩子、松浦雅、八重樫琴美、大西礼芳、佐藤玲、山西惇、
木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎
＊TOHOシネマズ新宿ほかにて全国公開
ホームペーシ http://www.ilovetakkun.com/
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＜ストーリー＞
【Side-A】1980年代後半の静岡。就職活動中の大学生・鈴木は、合コンで歯科
助手のマユ（前田敦子）と運命的な出会いを果たす。鈴木はマユに釣り合う男
になりたいと自分を磨いていくのだが……。【Side-B】静岡で就職した鈴木
（松田翔太）は東京本社に転勤になり、マユとは遠距離恋愛になる。やがて東
京本社の新入社員・美弥子（木村文乃）が鈴木に接近して……。
＜レビュー＞
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80年代後半のテイストが満載のラブ・ストーリー＆どんでん返し
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乾くるみの小説の映画化。原作は知りませんが、この映画は「ラスト５分のど
んでん返しがスゴイ」という評判です。まあ、確かに何も考えないで見ている
と、びっくりしそうな仕掛けです。しかし、私のように猜疑心タップリで、あ
ちこちに張られた伏線の数々に注目して観ていると、何となくトリックがわか
ってきます。何度も挿入される日付、昔の写真ｅｔｃ．・・・。
ですが、そのラストを除いても、なかなか面白い映画でした。何が面白いかっ
て、1980年代後半のテイストが満載なんです。何しろオープニングに流れるの
が、森川由加里の「ＳＨＯＷ ＭＥ」ですもん。でもって、車のカーステレオ
がカセットテープとくりゃあ、オジサン、懐かしくて涙が出ちまうぜ。
てな感じで、当時のファッションやカルチャー、ヒット曲や流行したアイテム
が続々登場。はたして「山本スーザン久美子」のギャグを理解できる若者が、
どれだけいるのだろうか？
そんな中、【Side-A】と題した前半は、大学生・鈴木と歯科助手のマユが合コ
ンで知り合い、恋人になる様子が描かれます。予告編を見た段階では、イケメ
ンの松田翔太とかわいい前田敦子の恋愛かと思いきや、最初に登場する鈴木は
デブでメガネのダサイ男。その奮闘が自然に笑いを生み出し、美女と野獣によ
るラブコメのタッチで進行。自分もダメダメだった私としては、つい鈴木に感
情移入して、応援したくなってしまいました。いつもはやり過ぎ感の強い、堤
幸彦監督の演出もラブコメにはピッタリでした。
鈴木はマユのために自分を磨き、ついに「やせてやる！」と宣言します。
そして始まる【Side-B】。スリムな鈴木が登場。しかし、彼は静岡から東京に
転勤になり、マユとは遠距離恋愛になってしまいます。さらに、そこに新入社
員の美弥子という女性が現れたものだから、さあ大変。
というわけで、鈴木とマユの遠距離恋愛と別れを描いた後半も、相変わらず80
年代後半テイストが全開。ドラマ「男女七人夏物語」の話を出した流れで、美
弥子の両親役に手塚理美と片岡鶴太郎を登場させるのも憎い配慮。またまたオ
ジサン感激です。
でも、まあ、基本的に描かれるのはありがちで、ベタすぎる恋愛話ですからね
ぇ。正直なところ、途中で飽きてしまいましたよ。スリムな鈴木には、イマイ
チ感情移入できないし。
そんなところで登場するのがラスト５分のどんでん返し。ネタバレ厳禁らしい
ので、何も言いませんが、実はこのレビューにもヒントが仕掛けてあります
（爆）。
それにしても前田敦子は、ちょっと昔の女の子が似合うなぁ。確かに、ああい
う子が当時はモテてたもんねぇ。
ラストのどんでん返しを除けば、若者よりも40代以上の人のほうが楽しめるか
もしれません。そのぐらい当時の雰囲気に満ち満ちた映画でした。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（75点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年6月1日（月）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午前11時半の回
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