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奇跡の２０００マイル（TRACKS）
（2013年 オーストラリア）（上映時間1時間52分）
監督：ジョン・カラン
出演：ミア・ワシコウスカ、アダム・ドライバー、ローリー・ミンツマ、ライ
ナー・ボック
＊有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://www.kisekino2000mile.com/
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＜ストーリー＞
オーストラリアのアリス・スプリングス。24歳の女性ロビン・デヴィッドソン
（ミア・ワシコウスカ）は、この地から広大な砂漠をたった１人で踏破する旅
を計画する。牧場でラクダの調教を学んだロビンは、８ヵ月後にナショナル・
ジオグラフィック誌からの資金援助を得ることに成功し、４頭のラクダと愛犬
とともに西へ向かう旅を始めるのだが……。
＜レビュー＞
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砂漠を旅する女性の成長物語。大自然の映像が圧倒的
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オーストラリアの砂漠を約半年かけて旅した女性の冒険を描いたドラマ。1977
年に実際にそういう旅をした女性がいて、その回顧録を映画化したそうです。
ただの旅を描いただけのドラマが、はたして面白いのか？と思ったら、これが
意外にも面白かったんです。
まず前半約30分は、ロビンという女の子が旅の準備をするところが描かれます。
ラクダ牧場で働きながらラクダの調教を覚えます。悪い牧場主にだまされたり、
逆に親切な牧場主に助けられたりと、様々な経験を重ねながらどうにか準備を
整えるロビン。
そして、その後１時間半ほどは、いよいよ彼女の旅が描かれます。４頭のラク
ダと愛犬を連れたその旅は、あまりにも過酷なものです。荒涼とした砂漠で道
に迷いそうになったり、孤独に苦しめられたり、野生のラクダに襲われそうに
なったり。終盤では愛犬との悲しい別れもあります。
その反面、楽しかったり、ほほえましい出来事もあります。しばらく同行する
ことになったアボリジニの案内人との交流、親切な老夫婦とのふれあい、ナシ
ョナル・ジオグラフィック誌から派遣されたカメラマンとのロマンスなどなど。
そんな中、主人公がなぜ旅に出たのかは、なかなか見えてきません。最初は、
「何事にも中途半端な現状を変えたい！」という思いが前面に出ているのです
が、その後はチラチラともっと深刻な話が出てくるようになります。実家の破
産、そして母の自殺、父との別れなどです。
ただし、そういう背景にあるドラマは、それほど深みがないのも事実。旅の途
中で起きる出来事も、特に驚くような話ではありません。
それでも最後まで飽きずに見入ってしまったのは、大自然の圧倒的な姿をとら
えた映像のせいです。観ているうちに、まるで自分も主人公と一緒に旅をして
いるような気になります。そのぐらい自然の美しさや恐ろしさ、生命力をリア
ルに捉えています。
そして、そんな大自然の中で、ミア・ワシコウスカ演じる主人公ロビンの表情
も変わっていきます。最初はごく普通の女の子だったのに、ラストではたくま
しく生命力に満ちあふれた顔になっています。まさに大自然の生命力をそのま
ま注入したような顔。つまり、この映画は彼女の成長物語でもあるわけです。
旅の終わりの海のシーンが美しく、とてもすがすがしい気持ちになりました。
冒険も、なかなか良いものですね。私は絶対に行きませんけど……。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年7月20日（日）新宿武蔵野館にて。午後12時25分の回
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