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脳内ポイズンベリー
（2015年 日本）（上映時間2時間1分）
監督：佐藤祐市
出演：真木よう子、西島秀俊、古川雄輝、成河、吉田羊、桜田ひより、神木隆
之介、浅野和之
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.nou-poi.com/
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＜ストーリー＞
ケータイ小説家のアラサー女子の櫻井いちこ（真木よう子）は、飲み会で知り
合った年下のイケメン男子・早乙女（古川雄輝）と偶然遭遇する。いちこの脳
内では、彼に話しかけるかどうかで、「理性」「ポジティブ」「ネガティブ」
「衝動」「記憶」という5つの思考が議論を展開する。その結果、早乙女を食事
に誘ったいちこは、彼の部屋に押しかけて肉体関係を結び、やがて2人は付きあ
うのだが……。
＜レビュー＞
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恋するアラサー女の思考のせめぎ合いを擬人化
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水城せとなの漫画を『キサラギ』の佐藤祐市監督が映画化しました。
主人公のいちこは、ケータイ小説家のアラサー女子。以前飲み会で会った年下
のイケメン君と偶然再会した彼女は、声をかけるべきかどうか悩みます。さあ、
どうする？
というわけで、この「さあ、どうする？」をめぐって、彼女の脳内で「理性」
「ポジティブ」「ネガティブ」「衝動」「記憶」という5つの思考がせめぎあい
ます。それを擬人化して、エッジの効いた5人の人物による会議として描いてい
るのが、この映画のユニークなところ。
しかも演じているのが、西島秀俊、吉田羊、桜田ひより、神木隆之介、浅野和
之というなかなかの実力派ですからねぇ。彼らによる密室の会話劇は、抜群に
テンポが良くて、クスクス笑えるところがたくさんあります。そこが魅力的な
映画です。
ただし、脳内会議以外の現実のドラマは、年上女と年下男のよくある恋愛劇で
何だか物足りません。
当然ながら、脳内会議のテーマも恋愛に関することばかり。それを2時間近く見
せられると、さすがに飽きますねぇ。
例えば、その恋愛劇を通して、単なる恋愛を越えた、主人公の生き方そのもの
に迫る再生劇のようなドラマにしてくれたなら、もっともっと楽しかったと思
うのですが……。
あるいは恋愛だけを描くにしても、そこから人間の持つおかしみや悲しみが伝
わってくるとか……。
それが無理なら、いっそ徹底的にコメディー路線で突っ走っちゃえばよかった
んじゃないの？脳内の妄想や空想をぶっ飛んだ映像でバンバン見せて、それを
ネタに笑わせたりして（そんな予算はなかったのか？）。
まあ、それでも脳内会議はそれなりに楽しいし、役者たちの演技も面白いので、
あまり期待しすぎずに観る分にはいいかもしれません。真木よう子も相変わら
ず良いです。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆
（70点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★☆☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年5月10日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時の回
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