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おみおくりの作法（STILL LIFE）
（2013年 イギリス・イタリア）（上映時間1時間31分）
監督・脚本：ウベルト・パゾリーニ
出演：エディ・マーサン、ジョアンヌ・フロガット、カレン・ドルーリー、キ
アラン・マッキンタイア、アンドリュー・バカン、ニール・ディスーザ、ポー
ル・アンダーソン、ティム・ポッター
＊ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開
ホームページ http://bitters.co.jp/omiokuri/
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＜ストーリー＞
ロンドン市ケニントン地区の民生係、ジョン・メイ（エディ・マーサン）。彼
の仕事は、孤独死した人の身辺整理をして弔うこと。そんなある日、彼のア
パートの真向かいで、ビリー・ストークという老人が孤独死しているのが発見
される。その矢先、彼はリストラされることが決まる。最後の案件として、い
つものように故人への敬意を胸に、葬儀に列席してくれる家族や友人を探すた
め旅に出るジョンだったが……。
＜レビュー＞
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孤独死と誠実に向き合う公務員を静かに描く
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イギリスの地方公務員のお話です。孤独死という誰にとっても身近なテーマを
描いています。
主人公のジョン・メイは民生係。何をやるかといえば、孤独死した人の身辺整
理をして、最後のお見送りをするわけです。とにかく、この人ったらマジメで
几帳面。きちんと時間を守り、食事もいつも同じメニューです。それゆえ、仕
事もきっちりこなします。まったく手抜きなし。誠実に仕事に取り組み、誰も
列席しなくてもそれなりの葬儀を行います。
しかし、そんな仕事ぶりはもう時代遅れ。上司からリストラの一環として、解
雇を告げられてしまいます。おりしも、彼の向かいの家で孤独死した老人がい
て、それが最後の案件となります。ジョンは、いつも以上に熱心に、死んだ老
人の関係者を訪ね歩きます。
ジョン・メイ役のエディ・マーサンがはまり役ですね。イギリスの実力派俳優
で、ハリウッド映画などにも出演している人ですが、謹厳実直そのもののよう
なジョンを好演しています。
映画のタッチはとにかく静かで淡々としています。ユーモアやペーソスも少し
ずつ織り込まれていますが、途中までは大きなことは何も起きません。
そんな中でも、少しずつ登場人物の「変化」が見えてきます。最後の案件の関
係者を訪ね歩くジョン。ビリーという故人は、刑務所にも入っていた人物で、
あまり良い印象を持たれていません。それでも愚直に、昔の仲間や娘などに会
いに行くうちに、彼らの心に少しずつ変化が訪れます。そして、孤独だったジ
ョンの生活にも、わずかながら変化の予兆が現れます。
うーむ、このまま大団円になれば、本当にしみじみ感動できるよなぁ〜。と思
ったら、なんとまあ、予想外のラストが待っていました。それって、ジョンが
かわいそうすぎるんじゃないの？
とは思ったものの、そういう展開によって切なさを漂わせているのは確かです。
墓場でのファンタジックなシーンが心に残ります。
というわけで、ラストの展開には一瞬引いてしまいましたが、全体としては、
しみじみした感動が味わえる映画です。さすがにあちこちの映画祭で評判にな
って、日本でもロングランになるだけあります。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（85点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年4月19日（日）ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後2時20分の回
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