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プリデスティネーション（PREDESTINATION）
（2014年 オーストラリア）（上映時間1時間37分）
監督：マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
出演：イーサン・ホーク、セーラ・スヌーク、ノア・テイラー、クリストフ
ァー・カービイ、クリス・ソマーズ
＊新宿バルト９ほかにて全国公開
ホームページ http://www.predestination.jp/
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＜ストーリー＞
1970年のニューヨーク。場末のバーに現われた青年ジョン（セーラ・スヌー
ク）は、バーテンダー（イーサン・ホーク）に自らの身の上を語る。それを聞
いたバーテンダーは、自分が未来からやってきた時空警察のエージェントであ
ることを明かし、青年の人生を狂わせた男への復讐のチャンスを与えると提案
する。バーテンダーは1970年のニューヨークを震撼させている連続爆弾魔の犯
行阻止を最後のミッションと定め、引退する自分の後釜にジョンを据えようと
していたのだが……。
＜レビュー＞
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怪しくて波乱万丈の話が展開するタイムマシン映画
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タイムマシンもののＳＦです。原作は、ＳＦ小説の巨匠ロバート・Ａ・ハイン
ラインの短編「輪廻の蛇」だそうです。タイムマシンものの映画はたくさんあ
りますが、この映画はどんな味付けをしているのでしょうか。
冒頭は近未来らしき世界。ある男が顔に大けがをします。そして、時空警察の
エージェントがタイムトラベルする姿が描かれます。
続いて登場するのは1970年のニューヨークのバー。エージェントはそこのバー
テンダーになっています。まもなく客としてやってきた謎の男ジョン。バーテ
ンダーは彼の身の上話を聞きます。
この身の上話が怪しくて波乱万丈なんですよねぇ。あまり話すとネタバレにな
っちゃいますが、簡単に言うと彼は元はジェーンという孤児の女性。それがな
ぜ男性になったのか。謎の組織による宇宙飛行士選抜のエピソードなど、予想
もつかない話が次々に飛び出して、つい見入ってしまいました。
映像もいいですねぇ。ＳＦものだけに、いかにも未来社会的なぶっ飛んだ風景
も登場しますが、基本は暗く重たく哀愁を帯びたノワール調の世界。独特の魅
力があります。
とはいえ、タイムマシンものにしては時空を超えないじゃん！と思ったら、後
半からはいよいよタイムマシンで時代をあっちこっちに移動します。そこでは
ジョンという青年による復讐劇、そして主人公のエージェントによる爆弾魔探
しが展開されます。
追求されるのは「過去の歴史を変えたら、いったいどうなっちゃうのさ？」と
いうタイムマシンものの普遍的なテーマ。それをこういうストーリー展開で、
こういう世界観で見せていくのは、なかなか面白い試みです。
次々に驚きの話が飛び出し、最後まで飽きずに観ることができました。ただし、
あまりにも複雑な構成なので、一度観ただけでは混乱してしまうかもしれませ
ん。まあ、それもＳＦらしいといえそうですが。
この映画の監督のオーストラリアのスピエリッグ兄弟と主演のイーサン・ホー
クは、『デイブレイカー』という映画でもタッグを組んでいます。イーサン・
ホークは相変わらずの存在感。そして、謎の青年と元の女性の一人二役（？）
を演じたオーストラリアの若手女優セーラ・スヌークも見事な演技です。
ＳＦファンを中心にかなり楽しめそうな映画ですが、ボーッとしているとワケ
がわからなくなりそうなのでご注意を。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（81点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年3月1日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時30分の回
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