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ラン・オールナイト（RUN ALL NIGHT）
（2015年 アメリカ）（上映時間1時間54分）
監督：ジャウマ・コレット＝セラ
出演：リーアム・ニーソン、ジョエル・キナマン、ヴィンセント・ドノフリオ、
ニック・ノルティ、ブルース・マッギル、ジェネシス・ロドリゲス、ボイド・
ホルブルック、コモン、エド・ハリス
＊新宿ピカデリーほかにて公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/runallnight/
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＜ストーリー＞
ニューヨークのブルックリン。マフィアのボス、ショーン（エド・ハリス）に
長年仕えてきた殺し屋ジミー（リーアム・ニーソン）。彼の一人息子マイク
（ジョエル・キナマン）が、ある日、殺人現場を目撃して、犯人から命を狙わ
れてしまう。その犯人とはショーンの息子ダニーだった。ジミーは息子の窮地
を救い、ダニーを返り討ちにする。それを知ったショーンは、ジミーに対して"
お前もマイクも両方殺す"と宣言する。復讐に燃えるショーンから追われる身と
なったジミーとマイクは、必死で逃走するのだが……。
＜レビュー＞
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老いた殺し屋と息子のスリリングな逃走劇。名優２人の対決も
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『96時間』シリーズで、熟年になってアクションスターの地位を確立したリー
アム・ニーソン。そんな彼が、『アンノウン』『フライト・ゲーム』のジャウ
マ・コレット＝セラ監督と３度めのコンビを組みました。さすがです。過去２
作同様、このコンビはハズレがありません。
話自体は、前にもどこかで見たようなお話。『96時間』シリーズでは、娘を守
る元秘密工作員を演じたリーアムですが、今回演じるのは息子を守る老いた殺
し屋ジミー。共通するのは、親子の関係がぎくしゃくしているところです。
凄腕の殺し屋だったジミーですが、今は酒に溺れ、かつて自分が殺した相手の
夢を見て苦しんでいます。そんな父親を毛嫌いし、距離を置いて生きる一人息
子のマイク。ところが、彼が殺人現場を目撃して、犯人に命を狙われることに
なったからさあ大変。ジミーはマイクを守るために、犯人を射殺してしまいま
す。
その犯人とは、マフィアのボス、ショーンの息子ダニー。ジミーはショーンと
親友で、長らく彼のもとで仕事をしてきました。ダニーは、バカ息子でショー
ンの言うことを聞かずに窮地に追い込まれ、殺人を犯したのです。しかし、や
はりそこは父親。ショーンは怒って、ジミーとマイクを抹殺しようとします。
というわけで、ショーンと警察（ショーンの息のかかった者も大勢いる）の追
及をかわして、ニューヨークの街を逃走するジミーとマイクの一夜の逃走劇が
描かれます。そこにはスリリングなシーンが満載。ハラハラドキドキの連続で
す。カーチェイスや銃撃戦などアクションもたっぷり。
同時に、人間ドラマも描かれるのがリーアム・ニーソンの映画の特徴。ジミー
とマイク親子の確執と和解、ジミーとショーンの友情と対立などがスクリーン
に刻まれます。特にリーアムとエド・ハリスという実力派俳優２人の演技は必
見。ちょっとしたセリフや表情から、２人が長い間に積み重ねてきた歴史が垣
間見えてきます。クライマックスの２人の直接対決も味わいがありますねぇ。
ニューヨークの街の俯瞰からズームしていく映像など、キレのある映像もセラ
監督らしいところです。
ラストはいったん決着と思わせて、再びアイツが現れる緊迫の展開。余韻の残
るエンディングと併せて、最後の最後まで抜かりがありません。今回もエンタ
メ映画として、見て損はない出来になっています。
まあ、欲を言えば、「一晩でカタをつける」という設定に、もう少し理由付け
があってもよかったかな。そのほうが、もっとスリリングになったかも。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（84点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年6月5日（金）新宿ピカデリーにて。午前11時25分の回
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