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龍三と七人の子分たち
（2014年 日本）（上映時間1時間51分）
監督・脚本・編集：北野武
出演：藤竜也、近藤正臣、中尾彬、品川徹、樋浦勉、伊藤幸純、吉澤健、小野
寺昭、安田顕、矢島健一、下條アトム、勝村政信、萬田久子、ビートたけし
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.ryuzo7.jp/
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＜ストーリー＞
かつては"鬼の龍三"と恐れられた元ヤクザの高橋龍三（藤竜也）。しかし、引
退した今は、息子家族のもとで肩身の狭い思いをしていた。そんなある日、オ
レオレ詐欺に引っかかった龍三は、元暴走族の連中が"京浜連合"を名乗り、詐
欺や悪徳商法で荒稼ぎしていることを知る。それが許せない龍三は、昔の仲間
７人を呼び集め、"一龍会"を結成して京浜連合に立ち向かうのだが……。
＜レビュー＞
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高齢ヤクザの暴走ぶりに元気がもらえるコメディ
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北野武監督の映画といえば、アート系の映画で知られていますが（特に海外で
は）、けっこうエンタメ色の強い映画も撮っています。この映画も完全なエン
タメ映画。前作と前々作の『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』同様に
ヤクザを取り上げていますが、今回は任侠コメディ映画です。
家族にも邪険にされる元ヤクザの龍三という男が主人公。ひょんなことから、
元暴走族の若い連中が「京浜連合」と称して悪事を働いているのを知り、昔の
仲間を集めて、"一龍会"という組を結成して、彼らに立ち向かおうとします。
そんなに珍しい話ではないし、現実にはありえないファンタジータッチの映画
ですが、無条件に楽しめる作品になっています。
何しろ全編に笑いが満載。それもビートたけしらしい、破天荒なギャグやコン
トばかりです。蕎麦屋で元ヤクザが賭けをするシーンをはじめ、バカバカしい
けどつい笑ってしまうシーンの連続。
龍三が年中オナラをしていたり、女装する羽目になったりと、悪乗りに近いよ
うなシーンもたくさん出てきます。それでも、主演の藤竜也をはじめ、近藤正
臣、中尾彬、品川徹、小野寺昭などの超ベテラン俳優が嬉々として演じている
ので、嫌な感じはしません。
ドラマ的には、元ヤクザが改心してまともになるのではなく、つい昔風の行動
をしてしまうところがミソ。恐喝まがいの手口で企業から金を奪ったり、店か
らショバ代を取ったり。だけど、どことなく抜けているので憎めません。
クライマックスでは、義理人情を欠く若いワルどもがついに一線を越え、堪忍
袋の緒が切れた一龍会の面々が決戦に乗り出します。
格闘バトルやカーチェイスが飛び出すアクションシーン。とはいえ、そこは老
人たちの行動ゆえ、どこかにゆるさが漂います。死体を同行した襲撃劇なんて、
そんなのアリ？ いや、ホント、バカバカしいけど笑っちゃいますね。
そして、何よりも元気な高齢者たちのアナーキーな暴走劇は、観ていて痛快で、
自然に元気が出てきます。
過去の北野映画の中でも、ここまで肩の力が抜けた映画はあまりないかも。そ
ういう点で、誰でも気楽に楽しめると思います。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（81点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年4月29日（水）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後4時の回
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