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映画 深夜食堂
（2014年 日本）（上映時間1時間59分）
監督：松岡錠司
出演：小林薫、高岡早紀、柄本時生、多部未華子、余貴美子、筒井道隆、菊池
亜希子、田中裕子、オダギリジョー、不破万作、綾田俊樹、松重豊、光石研、
安藤玉恵、須藤理彩、小林麻子、吉本菜穂子、中山祐一朗、山中崇、宇野祥平、
金子清文、平田薫、篠原ゆき子、渋川清彦、谷村美月
＊丸の内TOEI、新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://www.meshiya-movie.com/
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＜レビュー＞
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魅力的な食堂のマスターと常連客たちの人情劇
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安倍夜郎の漫画を原作にしたテレドドラマの劇場版です。繁華街の路地裏にあ
る深夜12時から朝７時まで営業する食堂「めしや」（みんなは「深夜食堂」と
呼ぶ）が舞台。そこには寡黙なマスターと、ワケありな客たちが集まっていま
す。彼らの悲喜こもごもを描く人情群像劇です。
全体は「ナポリタン」「とろろ飯」「カレーライス」という３つのパートで構
成。「ナポリタン」は、愛人に死なれた女が、店で出会った青年と意気投合す
るものの……というお話。
「とろろ飯」は、ネットカフェに寝泊まりする女が、無銭飲食したのをきっか
けに、マスターの温情で店で働くことになり、それをきっかけに前に踏み出す
……というお話。
「カレーライス」は震災のボランティアの女性に夢中になった被災者が、彼女
に会いに上京するものの……というお話。
テレビ版は未見ですが、映画はなかなか良い雰囲気ですね。凝りに凝った店の
内外のセットに加え、舞台に設定した新宿の街の風景なども効果的に使い、独
特の空気感を生み出しています。小林薫演じるマスターも、実に魅力的な人物
です。
常連客もユニークな人物ばかり。３つのエピソードの中心になる高岡早紀、柄
本時生、多部未華子、筒井道隆らに加え、余貴美子、不破万作、綾田俊樹、安
藤玉恵あたりがいい味を出しています。
そして、店で供される料理の美味しそうこと。どれもシンプルな家庭料理です
が、それゆえますます食欲をそそります。昼食抜きで観に行った私は、空腹感
がどんどん増幅されて、えらい目にあいましたぜ。
２時間弱の中で３つのエピソードを描いているので、ツッコミ不足の感はある
ものの、観ているうちは、それをあまり感じさせません。観客さえも巧みに、
常連客の１人にしてしまいます。そして、「あんな店、本当にあったらいいな
ぁ〜。もしかしたら……」と思わせてしまうのが、この映画のミソです。
映画の最後には、冒頭から登場する骨壺をめぐって、田中裕子演じる謎の女性
が登場。これが爆笑ものです。おかげで、後味よく映画館を出ることができま
した。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（89点）
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年2月9日（月）新宿バルト9にて。午後12時30分の回
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