ストックホルムでワルツを(MONICA Z)


(2013年 スウェーデン)(上映時間1時間51分)
監督:ペール・フリー
出演:エッダ・マグナソン、スベリル・グドナソン、シェル・ベリィクヴィス
ト、ヴェラ・ヴィタリ
*新宿武蔵野館ほかにて公開
ホームページ http://stockholm-waltz.com/
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<ストーリー>
スウェーデンの田舎町に暮らすシングルマザーのモニカ(エッダ・マグナソ
ン)は、電話交換手をしながら、ジャズ・シンガーとして活動していた。ある
日、ジャズ・クラブのステージに立つ彼女を見た評論家から、「ニューヨーク
で歌わないか」と誘われる。それに応じてニューヨークに渡るモニカだったが
……。

<レビュー>
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スウェーデンのジャズ・シンガーの栄光と挫折
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スウェーデンを代表するジャズ・シンガー、故モニカ・ゼタールンドの伝記映
画です。

シングルマザーで電話交換手をしながらジャズ歌手として活動するモニカ。ア
メリカで歌うチャンスをつかむものの、失意のうちに帰国。しかし、それをバ
ネにスターダムにのし上がっていく……。

というわけで、基本は「スター歌手の栄光と挫折の物語」ですが、色々と面白
い要素があって楽しめます。

まずモニカの転機がユニーク。日本でもジャズというと英語で歌うことが多い
わけですが、彼女も同じ。しかし、アメリカで有名な歌手のエラ・フィッツジ
ェラルドに批判されて、帰国後にスウェーデン語で歌い始めます。これが大当
たりするのだから、世の中わからないものです。

かつての国民的歌手の伝記なのに、けっして立派な人物として描いていないと
ころも特徴的。モニカはとにかく貪欲で、何でも手に入れようとします。そし
て、手に入れると今度は失うことを極度に恐れます。

こうした性格のおかげで、遮二無二前進してスターの座をつかむものの、その
一方で父親との間に大きな確執を抱えます。また、男性との関係も自由奔放で
落ち着いた家庭は築けません。

その挙句に仕事とアルコールにのめり込んで、仕事でも私生活でも大きなピン
チを迎えてしまいます。ある意味でとても人間臭い人なんですが、振り回され
る周りは大変ですよね。

そして、こういう展開をたどると、たいていはそのまま破滅へ突き進むわけで
すが、彼女はそうなりません。見事に立ち直り、仕事では世界的ピアニストの
ビル・エヴァンスとの共演を果たします。私生活でも大きな幸福をつかみます。
めでたし、めでたし。

まあ、とにかくエネルギッシュすぎるモニカに圧倒される映画です。ここまで
前に進み続ける人って、そうはいませんよね。そのへんも含めて、モニカのこ
とをまったく知らなかった私も、それなりに楽しめましたよ。

劇中の音楽もステキです。モニカ役のエッダ・マグナソンが自ら歌っているの
ですが、これがハンパでないうまさ。と思ったら、もともと彼女はミュージシ
ャンだそうです。それにしては演技もバッチリでした。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
(86点)

≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆
                             (田中ひろあき)

〔鑑賞データ〕
2015年1月7日(水)新宿武蔵野館にて。午後1時45分の回


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