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ヴィジット（THE VISIT）
（2015年 アメリカ）（上映時間1時間34分）
監督・脚本・製作：Ｍ・ナイト・シャマラン
出演：オリヴィア・デヨング、エド・オクセンボウルド、ディアナ・ダナガン、
ピーター・マクロビー、キャスリン・ハーン
＊ＴＯＨＯシネマズみゆき座ほかにて全国公開
ホームページ http://thevisit.jp/
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＜ストーリー＞
シングルマザーの母と暮らす15歳の姉ベッカ（オリヴィア・デヨング）と13歳
の弟タイラー（エド・オクセンボウルド）。母は両親（姉弟の祖父母）と長い
間音信不通となっていた。そんなある日、祖父母から姉弟に遊びに来ないかと
誘いがくる。こうして姉弟はペンシルバニアの祖父母の家で１週間を過ごすこ
とになるのだが……。
＜レビュー＞
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シャマラン復活！姉弟が目撃する不気味な祖父母の姿
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『シックス・センス』『サイン』のＭ・ナイト・シャマラン監督によるスリ
ラー映画です。
シングルマザーの母と暮らす姉ベッカと弟タイラー。母は実家を飛び出して以
来、両親、つまりベッカとタイラーの祖父母とは音信不通。ところが、突然、
祖父母から「うちで一緒に休暇を過ごそう」と誘われます。ちょうど母が恋人
と旅行することもあって、姉弟はペンシルバニアの祖父母の家で1週間を過ごし
ます。
この姉弟のキャラがいいんです。姉は映画監督志望で、母親と祖父母の物語を
ドキュメンタリーにしようと考えています。なので、この映画は、彼女が撮影
した祖父母の家での出来事やインタビュー映像を中心に構成されています。お
かげで臨場感がたっぷり。姉弟の揺れ動く感情もリアルに伝わってきます。
ラッパー気取りで生意気盛りでありながら、潔癖症だという弟のキャラも面白
いところ。
そんな姉弟が目撃するのが、祖父母の奇行と奇怪な言動。最初のうちは、優し
い祖父と、料理のうまい祖母に大喜びしているものの、すぐに彼らの化けの皮
がはがれ始めます。一応、２人とも病気なのだと説明されますが、それにして
も不気味です。
祖父母を演じるのは、ピーター・マクロビー、ディアナ・ダナガンというまっ
たく知らない役者ですが、その怪演ぶりは見事の一語です。あまりにも過激す
ぎる演技で、時には笑いまで生んでしまうのはシャマラン監督の狙いなのでし
ょうか。
「入ってはいけない」と申し渡された謎の地下室の存在など、怪しすぎる家の
中の雰囲気も怖さを倍加させます。血みどろだったりする直接的な怖さではな
く、心理的な怖さをあおっていくところがいかにもシャマラン監督らしいとこ
ろ。
明らかにヒチコック映画を意識したような場面も登場するなど、遊び心も満点
です。
そしてシャマラン映画でどうしても期待したくなるのがどんでん返し。今回も
ちゃ〜んと用意されています。どんなオチかは言いませんが、私には意外なも
のでした。まあ、最初からディテールに注意して観ていると、何となくわかっ
てしまうんでしょうけど……。
ホラー映画のツボをきっちり押さえて、ハラハラドキドキさせてくれます。最
初こそ華々しかったものの、最近のシャマラン映画はパッとしませんでしたが、
今回はそれなりに楽しめる作品になっています。ハリウッド大作なんかより、
こういうコンパクトな映画のほうがシャマラン監督に似合っているのでは？
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（83点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年11月6日（金）池袋HUMAXシネマズにて。午前11時40分の回
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