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ブラック・スキャンダル（BLACK
MASS）
（2015年 アメリカ）（上映時間2時間3分）
監督：スコット・クーパー
出演：ジョニー・デップ、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバー
バッチ、ロリー・コクレイン、ジェシー・プレモンス、ケヴィン・ベーコン、
ピーター・サースガード、ダコタ・ジョンソン、コリー・ストール、デヴィッ
ド・ハーバー、ジュリアンヌ・ニコルソン、アダム・スコット、ジュノー・テ
ンプル
＊新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ https://warnerbros.co.jp/c/movies/blackmass/
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＜ストーリー＞
1975年、サウス・ボストン。アイルランド系ャングのボス、ジェームズ・バル
ジャー（ジョニー・デップ）は、イタリア系マフィアと敵対していた、一方、
彼の弟のビリー（ジョエル・エドガートン）は、州の有力政治家として活躍し
ていた。そんな中、バルジャーの幼なじみジョン・コノリー（ジョエル・エド
ガートン）がＦＢＩ捜査官となって戻ってくる。イタリア系マフィアを壊滅し
たいコノリーは、バルジャーに敵の情報を売るよう話を持ちかける。２人は密
約を交わすが、バルジャーの行動は歯止めがきかなくなり、ボストンで最も危
険なギャングへとのし上がっていく……。
＜レビュー＞
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ギャングとＦＢＩの結託。ワルいやつらの競演
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実録犯罪モノのドラマです。そういえば、昔、「ボストンでギャングとＦＢＩ
が結託して……」というニュースを聞いた記憶があります。どうやら、その事
件を描いた映画のようです。しかし、詳細はよく知らないので、とても興味深
く観ることができました。
南ボストンのチンピラが、幼なじみのＦＢＩ捜査官に頼まれて情報屋になるお
話。捜査官は町を牛耳るマフィアを捕まえようとしていて、それと敵対するチ
ンピラを利用しようとしたわけです。両者の思惑が一致した結果のタッグです
が、それをきっかけにチンピラはどんどん極悪になって、ついにボストン一の
ギャングのボスになります。一方、捜査官は出世を果たすもののズブズブの関
係から抜けられなくなります。
何しろ実録モノなので結果は明白。それでもなかなか面白いドラマに仕上げて
います。全体の構成は、司法取引に応じたボスの子分たちが、過去の出来事を
証言するというスタイル。
「ギャングにも一部の理」ではありませんが、この手のドラマは、どうして悪
人になるに至ったかという背景の人間ドラマなどを描きがち。この映画でも、
ボスの息子の死や母の死などが描かれますが、それほど深く突っ込んだ描き方
はしません。当然ながら、彼の幼少時代や青春時代のドラマもなし。
何しろ演じているのが、ヘンテコな人物を演じさせたらピカイチのジョニー・
デップですからねぇ。ただ、そこにいるだけで怖いわけです。なので、極悪に
なる細かな理屈なんていりません。今回は額を後退させたおっさんメイクで、
破格のすご味を披露。まるでサイコパスです。ＦＢＩ捜査官の奥さんを脅すと
ころなんて、コワすぎて背筋がゾクゾクきましたヨ。
一方、彼と結託する捜査官を演じるジョエル・エドガートンのワルぶりも見事。
たしか「ギャングも警察も根っこは同じ」みたいなセリフが劇中でありました
が、まさにそれを地で行くワルです。まあ、彼の場合には、ギャングを利用し
ようとしたら逆に利用されて、悪事の連鎖から抜けられなくなったわけで、そ
の心中はそれなりに理解できますけどね。
それに比べてギャングの弟の政治家役のベネディクト・カンバーバッチは、イ
マイチ影が薄かったかな。別に演技どうのこうのではなく、役柄がそういう役
なんですけど。
何にしても、さすがに悪事はいつまでも続かず、ラストに近づくにつれて彼ら
は追い詰められていきます。そして、ついに……。
ラストで彼らのその後の運命が語られるのですが、ギャングのボスが数年前ま
で逃げていたなんて知りませんでした。へぇー。
悪事の連続で、スカッとする映画ではありませんが、けっこう見応えはありま
した。さすがに『クレイジー・ハート』『ファーナス／訣別の朝』のスコッ
ト・クーパー監督の作品です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（85点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2016年2月1日（月）新宿バルト９にて。午後2時30分の回
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