インサイダーズ/内部者たち(INSIDE MEN)


(2015年 韓国)(上映時間2時間10分)
監督・脚本:ウ・ミンホ
出演:イ・ビョンホン、チョ・スンウ、ペク・ユンシク、イ・ギョンヨン、キ
ム・ホンファ、チョ・ジェユン、ペ・ソンウ、キム・デミョン
*TOHOシネマズ新宿ほかにて全国公開
ホームページ http://inside-men.com/
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<ストーリー>
財閥先業ミライ自動車のオ会長は、与党の大統領候補に多額の裏金を送ってい
た。両者の間を取り持っていたのは、策士の新聞社幹部イ・ガンヒ(ペク・ユ
ンシク)。そんな中、ガンヒから汚れ仕事を請け負っていたヤクザのアン・サ
ング(イ・ビョンホン)が、裏金を証明するファイルを手に入れ、ミライ自動
車をゆすろうとする。だが、ガンヒの裏切りに遭い、サングは失墜してしまう。
一方、サングに裏金ファイルを横取りされた検事ウ・ジャンフン(チョ・スン
ウ)は、責任を負わされ左遷となってしまう。諦めきれないジャンフンは、サ
ングに接触し、一発逆転の秘策を持ちかけるのだが……。

<レビュー>
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クドイけれど面白い。二転三転する驚きのサスペンス・アクション
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韓国のサスペンス・アクション映画はとにかくクドイ! だけど面白い! な
ので、お腹いっぱいになってしまいます。

登場する事件は、政界人(次期大統領の有力候補)、財界人(自動車会社会
長)、その2人を取り持ったマスコミ人(新聞社幹部の策士)の3人が暗躍する
裏金事件。ある日、策士のもとで尻拭いをしていたヤクザが、裏金の証拠のフ
ァイルを手に入れたことから、右腕を切られ奈落の底へ突き落されます。一方、
警察をやめて検事になったもののコネがなくて出世できない検事は、そのファ
イルを横取りされた責任を負って左遷されます。諦めきれない検事は、ヤクザ
と結託して一発逆転を画策します。

ギラギラした欲望渦巻くドラマです。「いかにも」というツラがまえの男たち
が、「いかにも」な行動をします。おまけに政界の裏金だの、芸能事務所によ
る性接待だの、実際に起きたことをネタにしているから絵空事とも思えません。

腕を切り落とす場面などバイオレンスシーンや、エロいシーンなどもあります
が、テンポがいいし、笑える要素も入れ込んでいるので、そんなに嫌な感じは
しませんでした。

そして白眉が後半の展開。裏切られたヤクザのサングが、なんとしても巨悪を
暴いて手柄を立てたい検事のジャンフンと結託したところから、ドラマは意外
な方向に走り出します。

彼らの手によっていったんは悪事が暴かれ、大団円に向かうかと思いきや、今
度は悪の側が意外な反撃をします。「ああ、巨悪は生き残ってしまうのね。こ
ういう結末もあるにはあるけれど、ちょっと割り切れないわ」と思ったところ
で、今度はまたまた事態がひっくり返ります。

「そーか、やっぱりカタルシスを味合わせてくれるのね。よかった、よかっ
た」と思いきや、今度はさらなる驚愕の展開に。「え? お前、そんなことす
るの? 結局、お前が一番のワルじゃん」と胸くそが悪くなったものの、なん
のなんの、最後に待っていたどんでん返し。「なるほどねぇ〜。これならみん
なカタルシスが味わえるもんね」。

事の顛末の詳細は伏せますが、復讐と欲望と正義がごっちゃ混ぜになって、二
転三転する展開。この後半だけでも、もうお腹いっぱいです。料金分、いやそ
れ以上に楽しませていただきました。R指定ながら、韓国で大ヒットしたとい
うのもよくわかります。

ヤクザ役のイ・ビョンホンが何とも魅力的。そして彼と微妙な関係を結ぶ検事
役のチョ・スンウも印象的な演技でした。

≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
(90点)

                             (田中ひろあき)

〔鑑賞データ〕
2016年4月5日(火)TOHOシネマズ新宿にて。午前11時30分の回



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