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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります（5 FLIGHTS UP）
（2014年 アメリカ）（上映時間1時間32分）
監督：リチャード・ロンクレイン
出演：モーガン・フリーマン、ダイアン・キートン、シンシア・ニクソン、キ
ャリー・プレストン、クレア・ヴァン・ダー・ブーム、コーリー・ジャクソン、
マイケル・クリストファー、ジョシュ・パイス
＊シネスイッチ銀座ほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://nagamenoiiheya.net/
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＜ストーリー＞
ブルックリンの眺めのいいアパートの５階の部屋で、40年暮らしてきたアレッ
クス（モーガン・フリーマン）とルース（ダイアン・キートン）の夫婦。建物
の唯一の欠陥は、エレベーターがないこと。足腰が弱ってきたアレックスを心
配したルースは彼を説得し、エレベーターのある住居への買い替えを決心する。
購入希望者のための内覧会が開かれるのだが……。
＜レビュー＞
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モーガン・フリーマンとダイアン・キートンが初共演
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モーガン・フリーマンとダイアン・キートンという２人の名優の初共演映画。
とくれば、これはもう観客は２人の掛け合いを期待するのが当然。というわけ
で、そこに焦点を当てた映画になっています。
２人が演じるのは、画家アレックスと元教師ルースの夫婦。ニューヨークのブ
ルックリンにあるアパートの５階に暮らす２人ですが、エレベーターがなく階
段の上り下りがきつくなってきたため、部屋を売って別の場所に引っ越そうと
します。そのすったもんだをめぐって、２人が会話を繰り広げます。
彼らが住み始めた40年前はブルックリンはまだ下町で、お金のない人がたくさ
ん住んでいました。しかし、今は不動産価格が上昇し、彼らの部屋も1億円近い
値段がつきます。また、アメリカでは家を売る時には、住民が暮らしていると
ころに購入希望者が見に来る内覧会が行われ、オークションのように値段が吊
り上げられるようです。そういう事情を知らないで見ると、やや戸惑ってしま
うかもしれませんね。
舞台の中心は２人が今住んでいる家。そこに内覧会で購入希望者がたくさんや
ってきます。同時に、彼らは新しい家探しも始めます。そこでもいろんなこと
が起きます。それを通して、２人は若き日の自分たちを回想したり、今の自分
たちを見つめ直していきます。
というわけで、自宅の売買をきっかけにした、長く連れ添った夫婦の生き直し
のドラマではあるのですが、正直そんなにメリハリはありません。例えば、２
人が最初もっと険悪な関係だったりしたら、ドラマ的にはどんどん盛り上がっ
たはず。
しかし、そういうことはあえて排除して、モーガン・フリーマンとダイアン・
キートンの掛け合いをじっくり聞かせるのがこの映画の真骨頂。シニカルで
ユーモラスでありながら、温かな気持ちのこもった２人のセリフのやりとりは、
実に味わい深いものです。最初はネガティブな発言を繰り返していたアレック
スをルースがいさめていたのに、途中でそれが逆転するあたりの展開も面白い
ところ。さすがに名優同士です。
ドラマを通じて背景に描かれるテロ容疑者の話や、２人の愛犬の病気の話など
も巧みに織り込みながら、会話劇の魅力を十分に引き出しています。
劇中で流れるヴァン・モリソンの曲「Have I told
you Latery」も印象的で、
心がホッコリするような映画になっています。
≪ぽちのオススメ度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（87点）
（田中ひろあき）
2016年2月17日（水）シネスイッチ銀座にて。午後７時の回
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