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女が眠る時
（2016年 日本）（上映時間1時間43分）
監督：ウェイン・ワン
出演：ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリ、リリー・フラン
キー、新井浩文、渡辺真起子
＊丸の内TOEIほかにて全国公開
ホームページ http://www.onna-nemuru.jp/
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＜ストーリー＞
スランプ状態の作家・清水健二（西島秀俊）は、編集者で妻の綾（小山田サユ
リ）と共に郊外のリゾートホテルで１週間の休暇を過ごす。滞在初日、健二は
プールサイドで初老の男・佐原（ビートたけし）と若い娘・美樹（忽那汐里）
という奇妙なカップルを目にして、目が離せなくなる。それ以来、健二は２人
の後をつけ、部屋をのぞき見るようになっていくのだが……。
＜レビュー＞
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ロリコンじじいＶＳロリコンおやじ。最後はモヤモヤ
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『スモーク』でベルリン国際映画祭特別銀熊賞を受賞した香港出身のウェイ
ン・ワン監督が日本で撮った映画です。
舞台は海辺のリゾートホテル。スランプの作家・健二と、編集者の妻・綾が滞
在しています。綾は仕事がらみでホテルを留守にしがち。一方、健二は何も書
けず無気力。まもなく、プールサイドで佐原と美樹の超年の差カップルを目撃
した彼は、目が離せなくなり、ストーカーまがいの行為を始めます……。
とにかく怪しい映画です。佐原と美樹の超年の差カップルは、どう考えてもワ
ケあり。なんとビートたけし扮する佐原は、忽那汐里扮する美樹の寝姿を10年
も撮影しているのです。
そして、そんな２人を見た西島秀俊扮する健二は、２人の後をつけたり、部屋
に無断侵入したり。それは２人の正体に興味があるというよりは、美樹に魅力
を感じている模様です。
はたして、そんなに美樹は魅力的なのか？うーむ、忽那汐里にエロさはまった
くありません。むしろエロいのは綾役の小山田サユリのほうでしょう。忽那汐
里は女というよりは少女という感じ。白いパンツが清々しい。よっ、ロリコン
殺し。なるほど！ そうか。この映画はロリコンじじいＶＳロリコンおやじの
映画ってワケね。
とはいえ、前半はそれなりに面白いです。とにかく映像が魅力的。ほとんどホ
テルの中だけの話なのに、プールの幻想的な青色や、部屋の中の明暗を生かし
た映像で、いかにもミステリアスな雰囲気を醸し出します。でもって、佐原が
「あの子の最期を記録してるんだ」とか「あの子を殺したい」などと物騒な発
言をするものだから、ますます謎が高まってきます。
後半になると刑事が登場して、健二の身辺が危うくなって来たりして、クライ
マックスに向けて期待が高まります。はたして、謎のカップルの正体は何なの
か。そして２人の運命は？？？？？？？
て、コラー！ そんな結末でいいんかい。明確な結論を出さずに観客に判断を
委ねるのは別にかまいませんけどね。それにしたって、あれじゃ何だかわから
んでしょう。もう少しヒントをばらまいてくんないと、最後に残るのはモヤモ
ヤばっかりです。
なんだか、才能のある監督が陥りやすいパータンみたい。ストーリー構成＆脚
本をもっと工夫して欲しかったです。例えば、私だったら、後半は健二が小説
らしきものを書き始めたので、それを使って現実か虚構かわからない世界をバ
ンバン出したりしますけどね。
というわけで、個人的には不満の残る映画。印象に残ったのは、小山田サユリ
の相変わらずのエロさと忽那汐里のおやじ殺しっぷり。あ！それ以上にスゴイ
のがリリー・フランキーだった。あの人が出ただけで、全部いかがわしくて怪
しい世界に突入。ストッキングの話なんて傑作だもの。それだけで★アップで
す。
≪ぽちの満足度≫
★★☆☆☆（＋1／2★）
（67点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2016年3月1日（火）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時の回
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