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最高の花婿
（QU'EST-CE QU'ON A FAIT AU BON DIEU?）
（2014年 フランス）（上映時間１時間37分）
監督：フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
出演：クリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビー、アリ・アビタン、メ
ディ・サドゥン、フレデリック・チョー、ヌーム・ディアワラ、フレデリッ
ク・ベル、ジュリア・ピアトン、エミリー・カン、エロディ・フォンタン、パ
スカル・ンゾンジ、サリマタ・カマテ、タチアナ・ロホ
＊YEBISU GARDEN CINEMAほかにて公開。全国順次公開
ホームページ http://www.cetera.co.jp/hanamuko/
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＜ストーリー＞
フランスのロワール地方に暮らすクロード（クリスチャン・クラヴィエ）とマ
リー（シャンタル・ロビー）のヴェルヌイユ夫妻。敬虔なカトリック教徒の２
人だが、３人の娘の花婿はアラブ人とユダヤ人と中国人。宗教儀式や食事の
ルールなど、事あるごとにもめ事が起きて、夫婦は頭を抱えていた。そんな中、
末娘ロールがカトリック教徒の男性と結婚すると告げる。喜ぶ夫妻だったが、
挨拶にやってきたシャルルは、コートジボワール生まれの黒人だった……。
＜レビュー＞
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婿が全員異人種の夫婦による爆笑コメディ
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2014年のフランスで興行成績第１位の大ヒットを記録したコメディ映画です。
主人公はフランスのロワール地方に暮らすクロードとマリーのヴェルヌイユ夫
妻。４人いる娘のうち３人がアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚しています。
それぞれ宗教も違えば、生活習慣も違うということで、家族が集まればもめ事
の連続。夫妻は疲れ果てています。
こういう人種や宗教をネタにしたきわどい笑いは、一歩間違えば危険な方向に
行ってしまいますが、この映画はそうはなりません。例えば冒頭近くの割礼の
話。アレを犬が食べてしまうというバカバカしくも、強烈な笑いが炸裂します。
毒々しいのに憎めない。無条件に笑ってしまう。何とも絶妙のさじ加減なんで
す。
花婿同士のぶつかり合いは、民族対立が深刻化する現在の世界情勢を映してい
るようです。フランスでは移民が多いし、異人種間の結婚も多いようですが、
それでもこんなに大変なんですからねぇ。
映画の中盤では、カトリック教徒の夫妻が最後の希望を託していた末娘が、期
待通りにカトリック教徒の男性と結婚すると宣言します。ところが、それが
コートジボアール出身の黒人。というわけで、事態はますます混迷します。
そんな中、これ以上の混乱は御免とばかりに、３人の先輩花婿が結束して結婚
を阻止しようとします。そこで何やら友情のようなものが芽生える面白い展開。
さらに、黒人男性の父親がフランス人嫌いということで、クロードとバトルを
繰り広げます。そんなこんなでクロードとマリーは離婚の危機にまで直面して
しまいます。
その間も楽しい笑いが満載。クロードがブチ切れて次々に木を切り倒したり、
マリーが突然アフリカのダンスを習い始めたり。まあ、とにかく無条件に笑え
ますヨ。
ラストは父親同士の本音のぶつかり合いから意外な展開に。正直、お気楽とい
えばお気楽で、「現実にはこんな事ないよなぁ〜」と思ってしまうのですが、
それでもホッコリさせてくれるから悪い気はしません。
楽しく笑って、温かな気持ちになって、ちょっぴり移民や人種の問題について
考えさせられる。そんな映画です。あまり期待していなかったのですが、良い
意味で予想を裏切られましたね。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（90点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2016年3月28日（月）YEBISU GARDEN CINEMAにて。午後2時30分の回
[「さ」のページ]
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