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さらば あぶない刑事
（2015年 日本）（上映時間1時間58分）
監督：村川透
出演：舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、木の実ナナ、伊藤洋三郎、
山西道広、長谷部香苗、海一生、衣笠拳次、ベンガル、小林稔侍、菜々緒、夕
輝壽太、吉沢亮、入江甚儀、片桐竜次、吉川晃司
＊丸の内ＴＯＥＩほかにて全国公開中
ホームページ http://www.abu-deka.com/
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＜ストーリー＞
横浜港署捜査課刑事のタカこと鷹山敏樹（舘ひろし）とユージこと大下勇次
（柴田恭兵）。定年退職を5日後に控えた2人に、捜査課課長の町田透は"定年間
際は殉職率が高い"と心配するが、ブラックマーケットを襲撃するなど相変わら
ず大暴れしていた。そんな中、振興ヤクザ幹部の伊能が惨殺死体となって発見
される。各国マフィアが入り乱れるブラックマーケットを仕切っていた伊能が
殺されたことで、危うく保たれていたマフィアたちの均衡は崩壊しはじめ、キ
ョウイチ・ガルシア率いる中南米の凶悪な犯罪組織BOBが横浜に進出してくる。
＜レビュー＞
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人気テレビシリーズの完結編。「今」に迎合しない潔さ
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1986年に始まったテレビドラマの人気シリーズ「あぶない刑事（デカ）」。約1
0年ぶりの劇場版第7作。これが完結編だそうです。
横浜港署捜査課刑事のタカこと鷹山敏樹とユージこと大下勇次。定年５日前に
もかかわらず、大暴れする２人。そんな中、彼らが追っていたヤクザの幹部が
惨殺され、それをきっかけに中南米マフィアが横浜に進出。タカとユージは彼
らと対決する……。
何しろテレビシリーズのスタートが30年前。時の流れを実感させます。２人の
パシリだった仲村トオル演じる町田は上司の課長に昇進。木の実ナナ演じる署
長はＮＰＯ法人の会長に。ベンガルと山西道広が演じる刑事は退職して意外な
職業に。
というように、色々な状況の変化はあるものの、基本線はまったく昔とおんな
じ。な〜んも変わっていません。ハーレー両手離しでマシンガンをぶっ放すダ
ンディ・タカ。犯人を追って街を爆走するセクシー・タカ。そして２人の漫才
のような掛け合い。舘ひろしと柴田恭兵、さすがにアップになれば年齢を感じ
ないわけではありませんが、それでも暴れっぷりは健在。日本のバディームー
ビーの金字塔ともいえる名コンビです。
そして、浅野温子演じる薫のハジケっぷりも健在。「お前いくつだよ！」とい
うコスプレの連続。その言動も相変わらず常軌を逸したハイテンションです。
昔のドラマを見せるなら、普通は新しい観客を引き込むために「今」を取り込
みたくなるものですが、この映画にはそんな雰囲気は微塵もナシ。「古臭くっ
たって面白いものは面白いんだからいいじゃん！」という開き直りのような気
概に、思わず拍手したくなりました。
横浜というエキゾチックな街もこの映画の大きな魅力。そこを舞台に怪しすぎ
るシーン満載です。冒頭のブラックマーケット、中国＆ロシア＆中南米のマフ
ィアたち。実際には、ありえないような光景ですが、これでなんともハマって
いるんですよねぇ〜。
というわけで、観ているうちにかつての「あぶない刑事」シリーズだけでなく、
村川透監督が松田優作と組んだ作品の数々を思い出してしまいました。『蘇る
金狼』『野獣死すべし』テレビの『探偵物語』……。そういえば、今回の撮影
監督の仙元誠三も松田優作の作品でおなじみのカメラマン。山西道広も松田優
作の映画の常連でしたっけ。
な〜んてオジサンやオバサンがノスタルジーに浸るにはピッタリの映画。エン
ドロールの懐かしいシーンは感涙もの。ですが、日本流ハードボイルト＆サス
ペンス＆アクションのひとつの完成形といえるような作品だけに、昔を知らな
い人にも観てもらいたいですね。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（86点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2016年2月10日（水）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分の回
[「さ」のページ]
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