ザ・ウォーク(THE WALK)


(2015年 アメリカ)(上映時間2時間3分)
監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロッ
ト・ルボン、ジェームズ・バッジ・デール、ベン・シュワルツ、クレマン・シ
ボニー、ベネディクト・サミュエル、マーク・カマチョ、スティーヴ・ヴァレ
ンタイン
*丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.thewalk-movie.jp/
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<ストーリー>
少年時代に綱渡りに魅せられたフランス人青年のフィリップ・プティ(ジョセ
フ・ゴードン=レヴィット)は、ニューヨークのワールド・トレード・セン
ター建設の記事を目にし、そこで綱渡りをしたいと思うようになる。大道芸人
仲間のアニーをはじめ、協力者たちを集めて、入念な準備を始めるプティだっ
たが……。

<レビュー>
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高層ビルでの驚異の綱渡り。高所恐怖症でなくとも卒倒しそう
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1974年にニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーで、超
高所での綱渡りを決行したフランスの大道芸人、フィリップ・プティのドラマ
です。実は、この話は2008年にジェームズ・マーシュ監督がドキュメンタリー
映画『マン・オン・ワイヤー』で取り上げて、アカデミー賞を獲得しました。

では、今回の映画はどうなっているのか。前半を中心に人間ドラマが盛り込ま
れています。主人公の青年フィリップが綱渡りに魅せられる経緯、手ほどきを
してくれたサーカス団団長(ベン・キングズレー)との交流、ストリートミ
ュージシャンの女性とのロマンスなどなど。

とはいえ、そんなに深くは描きません。だって、あんな常軌を逸した場所で綱
渡りする心理なんて、常人にはなかなか理解できませんもの。

この一件のハイライトは、あくまでもワールド・トレード・センターでの綱渡
り。なので、そこに至る準備段階を入念に描きます。

実はフィリップは無許可で綱渡りをします。これは明らかな犯罪行為。そこで、
若き犯罪者たちによるスタイリッシュで、ユーモラスで、スリリングな犯罪&
青春ドラマという視点から、物語を進めていきます。

共犯者を少しずつ集めて、ユニークな作戦を立案し、ビルに侵入し、そして
ロープを張るフィリップたち。その過程では、あわや!のハラハラドキドキの
シーンも登場。また、決行直前にナーバスになるフィリップの姿なども描かれ
ます。はたして、どこまで話を盛っているのかわかりませんが、無条件に面白
い犯罪&青春ドラマです。ニクソン大統領が批判される当時の世相などもチラ
リと取り入れています。

そして、いよいよ綱渡りのシーン。その空中シーンは圧巻のスリル。ていうか、
私のような高所恐怖症の人間には怖すぎます。なんたって、411mの高さですか
ら。2Dで観てこの怖さなのだから、3Dなんて想像するだけで身の毛がよだち
ます。高所恐怖症の人は絶対に3Dは観ないでください。

最後は犯罪者がヒロインになるという痛快な展開。同時に、そこにはノスタル
ジックな空気も流れます。だって、9.11によってもうあのビルはないわけだし、
今だったらフィリップは間違いなくテロリストの疑いで早いうちにとっ捕まっ
ちゃうでしょう。

まあ、なんにしてもさすがにロバート・ゼメキス監督。エンタメ映画として間
違いなく面白い映画に仕上げています。

が、何度も言いますが、高所恐怖症の人はご注意を……。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
(82点)

                             (田中ひろあき)

〔鑑賞データ〕
2016年2月12日(金)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時15分の回


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