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残穢【ざんえ】
‐住んではいけない部屋‐
（2015年 日本）（上映時間1時間47分）
監督：中村義洋
出演：竹内結子、橋本愛、坂口健太郎、滝藤賢一、佐々木蔵之介、山下容莉枝、
成田凌、吉澤健、不破万作、上田耕一
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://zang-e.jp/
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＜ストーリー＞
怪談雑誌で読者の体験談をもとにした短編を連載中の小説家の「私」（竹内結
子）。ある日、読者の女子大生・久保さん（橋本愛）から「自分の部屋で奇妙
な音がする」という手紙を受け取ったことから、一緒に調査を開始する。する
と、そのマンションでは他にも怪しい部屋があることに気づく。しかも過去の
住人たちは、引っ越し先で不可解な死に遭遇していた……。
＜レビュー＞
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いろんな要素がテンコ盛りのジャパニーズ・ホラー
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小野不由美の山本周五郎賞受賞作を中村義洋監督が映画化。中村監督といえば、
『予告犯』『白ゆき姫殺人事件』『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデ
ンスランバー』など、いろんな映画を手がけています。それだけに、今回のホ
ラー映画もソツがありません。
主人公は小説家。読者の投稿をもとにしてホラーの短編を連載中です。冒頭で
は彼女が書いた作品が登場。ただの前フリかと思ったら、実はこれが後で本筋
とつながってきます。
そんな彼女のところにある女子大生から「部屋で変な音がする」という手紙が
来て、それをきっかけに２人で謎に迫っていくというお話。
基本は正統派のジャパニーズ・ホラーです。そのものズバリのバケモノ登場の
シーンは最低限に抑え、それをめぐる奇妙かつおどろおどろしい事実を積み重
ねて観客をゾクゾクさせます。自殺、謎のイタズラ電話、怪死、ごみ屋敷、子
殺しなどなど。
はては、九州にまで飛んで炭鉱事故の話を展開したり、精神を病んだ男のエピ
ソードを持ち出してきたり、コワイ要素がテンコ盛り。なんだかちょっと、横
溝正史風だったりもして。
こんなにいろんなものを詰め込んで、窮屈にならないのだから大したもの。さ
すがに中村監督だけあります。部屋を借りた人なら誰でも経験がある「前の住
人はどんな人なんだろう？」てな疑問がドラマの根底にあるから、なおさら怖
いんですよねぇ〜。主人公と女子大生が謎を追う展開なので、ミステリー的な
魅力もあります。
ただし、人間ドラマ的なところはほとんどなし。主人公の小説家はもちろん、
女子大生なども色々と抱えているものがありそうだし、それを使って深みを出
すこともできたと思うのですが……。
とはいえ、エンドロールの後も、きちんと怖がらせてくれて、最後の最後まで
手を抜きません。ホラー映画が好きな人なら、観ても損のない映画だと思いま
すヨ。
それにしても橋本愛ってカワイイな。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（84点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2015年10月25日 東京国際映画祭Ｐ＆Ｉ上映（ＴＯＨＯシネマズ六本木ヒル
ズ）にて。
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