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ブレードランナー 2049（BLADE RUNNER 2049）
（2017年 アメリカ）（上映時間2時間43分）
監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演：ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、マ
ッケンジー・デイヴィス、シルヴィア・フークス、レニー・ジェームズ、カル
ラ・ユーリ、ロビン・ライト、ショーン・ヤング、デイヴ・バウティスタ、ジ
ャレッド・レトー、ウッド・ハリス、デヴィッド・ダストマルチャン、ヒア
ム・アッバス、エドワード・ジェームズ・オルモス、バーカッド・アブディ
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開中
ホームページ http://www.bladerunner2049.jp/
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＜ストーリー＞
荒廃が進む2049年。人類に従順なレプリカント（人造人間）の最新型ネクサス9
が登場し、旧型のネクサス8は捜査官ブレードランナーによって取り締まられて
いた。そんな中、ＬＡ市警のブレードランナー・Ｋ（ライアン・ゴズリング）
は、農民となっていたネクサス8を処分するが、その際に思わぬものを発見する。
それは帝王切開によって出産したレプリカントの骨だった。捜査を進めるＫは、
やがて、かつて優秀なブレードランナーとして活躍し、ある女性レプリカント
と共に姿を消したデッカード（ハリソン・フォード）の存在にたどり着く……。
＜レビュー＞
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前作の魅力を引き継いでパワーアップしたＳＦ大作
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独特の世界観でカルト的な人気を獲得した1982年のＳＦ映画の金字塔「ブレー
ドランナー」の35年ぶりの続編。前作のリドリー・スコット監督は、今回は製
作総指揮に回り、「ボーダーライン」「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ
が監督を務めています。
前作の舞台は2019年でしたが、今回は2049年が舞台。前作は荒廃した退廃的な
未来を描き出していましたが、今回はそれがエスカレートしています。生態系
は壊れ、植物は育たず、食糧が足りないため、人々はプロテインを食べて生き
ています。そんな中、貴重な労働力としてレプリカント（人造人間）が活躍し
ています。
ただし、そのレプリカントは人類に従順な最新型のネクサス9。旧型のネクサス
8は捜査官のブレードランナーによって取り締まられています。ＬＡ市警のブ
レードランナー・Ｋもレプリカントの取り締まりにあたっています。彼自身も
レプリカントです。そんなある日、Ｋは農民となっていたネクサス8を処分しま
す。ところが、その現場で思わぬものを発見します。それは帝王切開によって
出産したレプリカントの骨でした。
レプリカントに繁殖能力はないというのが常識。もしも、それがひっくり返れ
ば大変なことになります。Ｋの上司は真相を突き止め、すべてを消し去ること
を命令します。
本作の特徴は前作の映像美をそのまま受け継いでいること。前作ではスコット
監督が、荒廃した未来世界を圧倒的な映像美で描いていましたが、今回のヴィ
ルヌーヴ監督も負けてはいません。前作にもあったまるで新宿歌舞伎町のよう
な猥雑で退廃した街の姿（そのせいか日本語もチラチラと登場する）をはじめ、
こだわり抜いた映像が次々に飛び出します。
未来社会だけに、テクノロジーを駆使したアイテムもたくさん登場。その最た
るものは、Ｋと一緒に暮らすバーチャル映像の女性ジョイ。次々に衣装を変え、
スイッチをオフにすれば一瞬で姿を消す彼女はＫと心を通わせます。だが、そ
れでも肉体を持たない彼女とＫの関係には虚無感が漂います。
この虚無感も前作と共通する特徴。その中で、捜査を続けるＫの姿には、フィ
ルムノワール的な暗さと重さ、危うさが終始つきまとっています。
Ｋは捜査を続ける中で、前作で優秀なブレードランナーとして活躍し、レイチ
ェルという女性レプリカントと共に姿を消したデッカードの存在にたどり着き
ます。その過程では、Ｋ自身が自分の誕生の経緯に対して大きな疑念を抱くよ
うになります。
そして、ついにディックの登場。彼とＫが遭遇するのは荒廃したラスベガス。
その映像も筆舌に尽くしがたい迫力です。そこでバトルを展開する2人。
終盤は、レプリカントたちの反乱組織やレプリカントを製造する天才ウォレス
が絡んで、Ｋとディックを危機にさらします。あわやの水中での戦いを経て、
ラストは2人の対照的な運命を映し出します。切なさと温かさの入り混じったエ
ンディングです。
前作の良さをそのまま受け継ぎ、新たな要素を加えて輝きを増した本作。2時間
43分がまったく長く感じられませんでした。前作のファンはもちろん、そうで
ない人にとっても一見の価値があるＳＦ大作だと思います。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（91点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年11月4日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午前11時35分の回
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