僕のワンダフル・ライフ(A DOG'S PURPOSE)


(2016年 アメリカ)(上映時間1時間40分)
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:デニス・クエイド、ペギー・リプトン、ブライス・ガイザー、K・J・
アパ、ブリット・ロバートソン、ジョン・オーティス、ジュリエット・ライラ
ンス、カービー・ハウエル=バプティスト、プーチ・ホール、ルーク・カー
ビー、マイケル・ボフシェヴァー、ガブリエル・ローズ、ジョシュ・ギャッド
(声の出演)
*TOHOシネマズ日劇ほかにて全国公開
ホームページ http://boku-wonderful.jp/
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<ストーリー>
ゴールデン・レトリバーの子犬ベイリーは、暑い夏の日に車に閉じ込められて
いるところを8歳の少年イーサン(ブライス・ガイザー)に助けられる。彼の
家で飼われるようになったベイリーは、イーサンと固い絆で結ばれていく。や
がて高校生となったイーサン(K・J・アパ)はアメフト選手として活躍する。
ベイリーのおかげでハンナ(ブリット・ロバートソン)という恋人もできる。
だが、イーサンはある事件によってフットボール選手の夢を絶たれる。そんな
中、ベイリーはついに寿命を迎えてしまう。ところが、愛するイーサンにまた
会いたい一心で、ヘイリーは生まれ変わりを繰り返すようになる……。

<レビュー>
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犬と人間の絆を犬目線で描いた生まれ変わりのドラマ
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W・ブルース・キャメロンのベストセラー小説をスウェーデン出身の名匠ラッ
セ・ハルストレム監督が映画化しました。ハルストレム監督にとって、「マイ
ライフ・アズ・ア・ドッグ」(1985年)、「HACHI 約束の犬」(2008年)に続
くドッグ・ムービー第3弾ということになります。

タイトル「僕のワンダフル・ライフ」の「僕」とは人間のことではなく、犬の
こと。つまり、この映画は犬が主人公の、犬目線で描かれたドラマです。

主人公の犬はゴールデン・レトリバーの子犬ベイリー。暑い夏の日に車に閉じ
込められているところを8歳の少年イーサンに助けられ、彼の家で飼われるよ
うになります。夏休みにはイーサンとアメフトのボールで毎日のように遊ぶな
ど、強い絆で結ばれていく様子を生き生きと描き出していきます。

ユーモアもタップリです。ベイリーは、イーサンの父親が大切にしていたコイ
ンを飲み込んでしまうのですが、それを"回収"する経緯が笑えます。

犬が主人公だけに、アップで人間の顔をとらえた映像など犬目線の映像もたく
さん登場。それと並行して飼い主側に立った人間目線の映像も織り込んでいき
ます。この組み込み方が実に巧みです。

犬が主人公だけに、犬によるモノローグでドラマが進行するのもユニークなと
ころ(ただし、それがウザいところもありますが)。

やがて高校生になったイーサンはフットボールのスター選手になります。その
傍らにはいつもベイリーがいました。ベイリーは遊園地でイーサンとハンナと
いう女の子の出会いまで演出します。おかげで2人はたちまち恋人同士になり
ます。

その一方で、イーサンの父はアル中になり家を出てしまいます。そんな悲しい
時にも、ベイリーはそばでイーサンを支えます。その様子を見ているだけで、
犬と人間との絆の強さが自然に伝わってきます。

そして、さらに悲しい出来事が起きます。イーサンはある事件によってフット
ボール選手の夢を絶たれてしまいます。そんな中、ベイリーはついに寿命を迎
えてしまいます。

しかし、ドラマはまだ続きます。何とベイリーはジャーマン・シェパードのエ
リーという警察犬に生まれ変わったのです。エリーは警察犬としてきっちり仕
事をこなすだけでなく、相棒の孤独な警察官カルロスに寄り添い心を温めます。
しかし、ある事件によってエリーは命を落としてしまいます。

ですが、ベイリーはまた生まれ変わります。今度はティノというコーギーにな
り、人づき合いが苦手な女子大生マヤと仲良くなります。そして彼女に新たな
出会いをもたらします。

生まれ変わりはまだ続きます。今度は虐待まがいの飼い方をされ捨てられてし
まうのですが、その先に大きな奇跡が待っています。

終盤は犬好きならずとも、感動できるはず。感動を押し売りするのではなく、
自然に心を温めてくれる演出は、さすがにハルストレム監督の熟練の技です。
大人になったイーサンを演じるデニス・クエイドの顔も、年輪を感じさせ、彼
の人生のドラマに深みを与えています。

それでもこの映画の役者で一番目立つのは、やはり犬たちでしょう。彼らの目
だけで、感情が伝わるシーンもあります。それを引き出したスタッフともども
素晴らしい仕事です。

≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆(+1/2★)
(83点)
                             (田中ひろあき)

〔鑑賞データ〕

2017年10月1日(日)TOHOシネマズ日劇にて。午後2時30分の回


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