|
チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話
（2017年 日本）（上映時間2時間1分）
監督：河合勇人
出演：広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥、真剣佑、柳ゆり
菜、健太郎、南乃彩希、陽月華、木下隆行、安藤玉恵、緋田康人、きたろう、
天海祐希
＊TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開
ホームページ http://cheerdance-movie.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
県立福井中央高校に入学した友永ひかり（広瀬すず）は、サッカー部に入った
中学時代からの同級生・山下孝介（真剣佑）を応援したくてチアダンス部に入
部する。だが、顧問の早乙女薫子（天海祐希）は全米大会制覇を目標に、スパ
ルタで厳しく部員を指導する。それに反発した先輩部員が退部する中、残った
ひかりたちは練習に打ち込むのだが……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
笑って、ワクワクして、感動できる、女子高生たちの青春スポ根映画
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
福井県の高校のチアリーダー部が全米チアダンス選手権で優勝したという、実
話をもとにした映画です。
主人公は友永ひかりという女の子。高校に入学した彼女は、中学からの同級生
でサッカー部に入った男の子を応援したくて、チアリーダー部に入ります。と
ころが、そこに待ち受けていたのは顧問の早乙女薫子というスパルタ教師。全
米大会制覇を目標に、おでこ出し必須、恋愛禁止など厳しい指導をします。最
初はやる気のなかったひかりですが、早乙女に反発した先輩が退部したことも
あって、練習に打ち込むようになります……。
簡単に言えば青春スポ根映画です。この手の作品では、部員たちのキャラが重
要。その点、この映画はなかなかユニークなキャラが揃っています。男の子の
ために部に入った主人公のひかりをはじめ、ダンスの得意な彩乃、いつも暗い
顔の唯、太めの体型の多恵子など個性派ばかり。早乙女の前で一人ずつ踊るダ
ンスシーンで、端的に彼女たちのキャラを表現する仕掛けが秀逸です。
この手の映画には笑いも大切。本作も笑いがテンコ盛りです。しかもけっこう
マンガチックな笑いが多いのが特徴。漫才のボケとツッコミのような会話や大
げさな映像などで、わかりやすい笑いを振りまきます。
その一方で、青春ドラマらしい醍醐味も。目標に向かって努力する部員たちで
すが、そこには様々な困難が待ち受けています。初の大会で大失敗したり、練
習の過程で仲間割れしたり。しかし、そうした困難を乗り越えながら、友情を
はぐくんでいく部員たちの姿がまぶしく映ります。もちろんスポ根ものらしく、
厳しい練習シーンなどもところどころに織り込まれています。
中盤では、ひかりの家庭が登場。また、太めの多恵子の複雑な家庭なども描き
ます。スパルタ教師・早乙女に関しても終盤で、いったいなぜあんな無茶な指
導をするのかその背景を明かします。
主人公ひかりが輝くのは後半。ケガからの復活劇を通して主役らしい存在感に
導きます。
そしてクライマックスの全米大会。それまでほぼ封印していた部員たちの迫力
のダンスシーンを満を持して披露。相当に練習したらしい役者たちのダンスと、
切れのある映像は観応え十分で、ワクワクさせられます。
かなり無茶だったり、マンガチックなところの多いドラマですが、何しろ実話
だという裏付けがありますからね。最後は素直に感動してしまいました。
広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥など、若い女優たちのキ
ラキラした輝きっぷりが、半端なく魅力的です。
全体に人間ドラマが薄味なきらいはあるものの、青春スポ根映画のツボをキッ
チリと押さえて、これだけ笑わせて、ワクワクさせて、感動させてくれるのだ
から、上出来の部類だと思います。リアルタイムに青春を生きている若者だけ
でなく、かつて輝く青春時代を過ごしていた人たちにも元気を与えそうな映画
です。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（86点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年3月16日（木）TOHOシネマズ日本橋にて。午後6時55分の回
[「ち」のページ]
|