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gifted／ギフテッド（GIFTED）
（2017年 アメリカ）（上映時間1時間41分）
監督：マーク・ウェブ
出演：クリス・エヴァンス、マッケナ・グレイス、リンゼイ・ダンカン、ジェ
ニー・スレイト、オクタヴィア・スペンサー、グレン・プラマー、ジョン・フ
ィン、エリザベス・マーヴェル、ジョナ・シャオ、ジュリー・アン・エメリー、
キーア・オドネル、ジョン・Ｍ・ジャクソン
＊TOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開
ホームページ http://www.foxmovies-jp.com/gifted/
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＜ストーリー＞
数学者だった母親を生まれて間もなく亡くした7歳のメアリー（マッケナ・グレ
イス）は、独身の叔父フランク（クリス・エヴァンス）とフロリダの小さな町
で暮らしていた。しかし、メアリーは数学の天才で、小学校に通い出すとその
ことが発覚し、学校は英才教育で有名な学校への転校を勧める。だが、フラン
クは普通の子として育てることにこだわり、それを拒否する。そんなある日、
メアリーの祖母イブリン（リンゼイ・ダンカン）が現われて、孫に英才教育を
施すため、フランクを相手に裁判を起こしてメアリーの親権を主張する……。
＜レビュー＞
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天才少女と叔父との絆を生き生きと描き出す
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天才少女と叔父の絆のドラマです。主人公のメアリーは7歳の少女。数学の天才
です。フロリダの小さな町で独身の叔父フランクと片目の猫フレッドと暮らし
ています。
まもなくメアリーは小学校に入学。たちまちその才能が明らかになります。学
校は英才教育で有名な学校への転校を勧めるものの、フランクはあくまでもメ
アリーを普通の子として育てることにこだわり拒否します。
映画の冒頭から、フランクがメアリーを心から愛していることが伝わってきま
す。2人の会話はまるで本物の親子のような温かさに満ちています。メアリーは
口が達者で、それがなおさら2人の会話をユーモアとウィットに富んだものにし
ています。見ているだけで、自然に心が温かくなってきます。
フランクがメアリーを普通の子として育てることにこだわるのは、ただの愛情
からだけではありません。実は、天才数学者だったメアリーの母親は、メア
リーが生まれて間もなく自殺してしまったのです。弟のフランクは、それを止
められなかった悔恨の思いを抱え、姉の願いだとしてメアリーを普通の子とし
て育てようとするのです。
そんなある日、メアリーの祖母イブリンが現われて、孫に英才教育を施したい
と申し出ます。だが、フランクはこれも拒否。イブリンはフランクを相手に裁
判を起こしてメアリーの親権を主張します。
実は、イブリンの行動の源泉にも彼女の娘、つまりメアリーの母の存在があり
ます。彼女は娘の自殺は数学者として挫折したことにあると判断し、孫にはそ
うならないように英才教育を施そうと考えているのです。
途中からは実の母と息子が裁判で対決する法廷劇も描かれます。2人の対立に翻
弄されるメアリー。それを見ている観客は、どんどん切ない思いに駆られてし
まいます。メアリーを演じるマッケナ・グレイスの健気さが切なさを煽ります。
彼女の感情をしっかりと受け止めるクリス・エヴァンスの演技も素晴らしい。
この映画の後半には感涙必至の場面があります。「何があっても一緒だ」とメ
アリーに約束していたフランク。ところが……。
そして、その後には、それまで全く秘されていたメアリーの母親の驚くべき真
実が明かされ、それを背景にメアリーとフランクの姿が、再び涙腺を刺激しま
す。
ラストは、メアリーに一つの理想的な形を与えて、誰もが納得できる温かな余
韻を残してくれます。
観客を感動させることを義務付けられたような素材を、きっちりとまとめて生
き生きと描き、その方向へと導いたのは、『（500）日のサマー』『アメイジン
グ・スパイダーマン』のマーク・ウェブ監督。泣きたい人、心を温かくしたい
人には絶対におススメの映画です。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（92点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年11月28日（火）TOHOシネマズ シャンテにて。午後7時45分の回
[「アルファベット」のページ][「き」のページ]
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