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パーティで女の子に話しかけるには
（HOW TO TALK TO GIRLS AT PARTIES)S）
（2017年 イギリス・アメリカ）（上映時間1時間43分）
監督：ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演：エル・ファニング、アレックス・シャープ、ルース・ウィルソン、マッ
ト・ルーカス、ニコール・キッドマン、ジョアンナ・スキャンラン、スティー
ヴン・キャンベル・ムーア、ララ・ピーク、トム・ブルック
＊新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。全国順次
公開
ホームページ http://gaga.ne.jp/girlsatparties/
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＜ストーリー＞
1977年、ロンドン郊外。パンクロックが大好きな高校生のエン（アレックス・
シャープ）は、ある日、ライブの帰りに仲間とともに不思議なパーティに迷い
込み、美少女のザン（エル・ファニング）と出会う。規則だらけの生活に反抗
したザジは、エンが語るパンクに興味を持ち、パーティを抜け出してエンと一
緒に街へ繰り出す。だが、実は彼女は遠い惑星からやって来た異星人で、地球
にいられる時間は残り48時間だった……。
＜レビュー＞
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異星人の少女と高校生との瑞々しく切ないラブロマンス
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「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のジョン・キャメロン・ミッチェ
ル監督が、ニール・ゲイマンの短編小説を映画化しました。地球人の男の子と
異星人の女の子の淡いロマンスで、それ自体は珍しい話ではないものの、「パ
ンクロック」と結びつけているのがユニークです。
舞台は1977年のロンドン郊外。パンクロックが大好きな高校生エンは、ある日、
ライブ帰りに、不思議な音楽が聞こえる家に迷い込みます。そこで繰り広げら
れているのは、奇妙な服を着た人々による謎のパーティ。実は、それは地球に
やってきた異星人たちによるパーティだったのです。エンはそこで美少女のザ
ンと出会います。
というわけで、エンとザンの初々しいロマンスが瑞々しく描かれます。そこで
効いてくるのが、ザンが規則だらけの生活に反抗して、街に飛び出すという設
定です。異星人の指導者たちは、「個性を尊重する」とうたいながらも、みん
なの自由を束縛します。ザンはそれに反抗して、エンが語るパンクに興味を持
ち、パーティを抜け出してエンと一緒に街へ繰り出すのです。
これぞまさにパンク精神に沿った行動です。この映画は、パンクを単なるファ
ッションとして扱うのではなく、反逆の音楽という核心をきちんと突いている
のです。
そのハイライトは、ザンがパンクロックのゴッドマザーともいうべき女ボスに
よって、無理やりステージに上げられて、そこでエンとともに思いっきりシャ
ウトするシーンでしょう。このシーンだけで、2人の思いが伝わってきます。
この映画には、笑いの要素もあちこちにあります。地球人と異星人との間の噛
みあわない会話などが、そこはかとないおかしさを醸し出しています。異星人
が地球人に行う奇妙な性的行為なども、シュールで笑えます。
後半にもパンク精神が炸裂する場面があります。実は異星人たちには、ある習
慣が存在します。しかし、その行為は彼らをカルト宗教と勘違いしたパンクロ
ッカーたちに非難され、過激な攻撃を受けてしまいます。これもまたパンクロ
ッカーたちのパンク精神ゆえの行動でしょう。さらに、その問題をめぐって異
星人内部の対立も起きてしまいます。
そして、ザンの身にも大きな変化が起きて、彼女は決断を迫られます。ザンは
地球に残るのか。それとも宇宙へ飛び立つのか。2人の思いが交錯するラスト近
くのシーンは、切なさが最高潮に達します。
最後に登場するのは、15年後を描いた後日談。さりげないサプライズに、心が
ホッコリさせられます。とてもあと味の良いエンディングでした。
風変わりで、キラキラして、切ないラブストーリーです。単なる青春ラブス
トーリーの枠を超えて、胸に響いてきました。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（90点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年12月3日（日）ヒューマントラストシネマ渋谷にて。午後1時55分の回
[「は」のページ]
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