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ゴールド 金塊の行方（GOLD）
（2016年 アメリカ）（上映時間2時間1分）
監督：スティーヴン・ギャガン
出演：マシュー・マコノヒー、エドガー・ラミレス、ブライス・ダラス・ハ
ワード、コリー・ストール、トビー・ケベル、クレイグ・Ｔ・ネルソン、ステ
イシー・キーチ、ブルース・グリーンウッド
＊TOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開
ホームページ http://www.gold-movie.jp/
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＜ストーリー＞
1980年代のアメリカ。父から採掘会社ワショ―社を受け継いだケニー・ウェル
ス（マシュー・マコノヒー）だったが、事業がうまくいかず倒産寸前に追い込
まれる。そんな時、たまたま見た夢がきっかけで、インドネシアへ向かったケ
ニーは、地質学者のマイケル・アコスタ（エドガー・ラミレス）をパートナー
に迎え、山奥で金脈探しを開始する。やがて巨大な金脈を発見した2人。ワショ
―社は奇跡的な回復を遂げ、ケニーは一夜にして巨万の富と名声を手に入れる
のだが……。
＜レビュー＞
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鉱山ビジネスをめぐる波乱万丈の面白すぎる実話
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アメリカで実際に起きた鉱山ビジネスを巡る一大スキャンダルを、マシュー・
マコノヒーが製作、主演で映画化しました。
1981年。ネバダ州のリノ。ケニー・ウェルスは、祖父が起こし父が発展させた
採掘会社「ワショー社」の経営を任されます。その時の彼は若さにあふれ、採
掘ビジネスに誇りを持ち、希望に満ちた姿をしています。
ところがそれから7年後。ケニーの姿は一変しています。頭はハゲて体はデブデ
ブ。どう考えてもお酒をたくさん飲んでいる様子。何しろ採掘会社の事業は振
るわず、業績も株価も低迷し、銀行や投資家にも相手にされず倒産寸前に追い
込まれています。ケニーは家もなくして、昼は家具店、夜はバーで働く恋人の
家に転がり込んでいます。
そんなにっちもさっちもいかない、ダメ中年ケニーは、ある日夢を見ます。そ
れは金を採掘するインドネシアの光景。そこでケニーはインドネシアに向かい
ます。そこでパートナーに迎えたのが、地質学者のマイケル・アコスタ。以前
は採掘関係者に注目されていたものの、そのもとになった学説が否定され、今
はまったく相手にされていません。そんなダメダメ2人組は、どうにかかき集め
た資金を元手に、インドネシアの山奥で起死回生をかけて金脈探しを始めます。
その金脈探しの過程が、なかなか面白く描かれています。最初は試掘を繰り返
しても、大したものは出てきません。その作業に従事した労働者たちも逃げ出
します。さらにケニーはマラリアにかかって死にかけてしまいます。それでも
どうにか労働者を呼び戻して、試掘を再開した2人に、やがて朗報が。ついに巨
大な金脈を掘り当てたのです。
こうして一夜にして成功者となったケニー。そのニュースにウォール街のマ
ネーが群がります。ここからはウォール街のマネーゲームを描いた映画と似た
面白さが味わえます。「ワショー社」は上場を果たし、ケニーはセレブ生活を
送るようになります。まさに一発逆転。ただし、勢い余って、苦境を支えてく
れた恋人とも別れてしまうのですが。
そんな中、投資銀行はケニーに対して事業を売り渡して、一線から退くことを
提案します。ところがケニーはこれを断ります。彼はお金よりも採掘ビジネス
自体に興味があるんですね。どんなに調査をしてみても、実際に鉱脈を掘り当
てられるかどうかは運次第。そんなギャンブル的なスリルが忘れられないのか
もしれません。
というわけで、投資会社の提案を断った彼は痛い目に遭います。ある会社に事
業を乗っ取られてしまったのです。そこにはインドネシアのスハルト大統領や
元アメリカ大統領まで絡んできます。しかし、ケニーも黙っていません。今度
はマイケルとともに、スハルトが溺愛するバカ息子を抱き込んで、事業を奪い
返します。こうして最終勝利者になったかと思いきや、後半約30分には予想も
つかない出来事が待っています。
結局のところ、本当のワルは誰だったのか？ 真相は明確ではありませんが、
何にしてもスゴイ世界です。そりゃあ、こんなに波乱万丈で面白すぎる話は、
マシュー・マコノヒーでなくとも映画化したくなりますよね。
ちなみに、今回のマコノヒーの成りきりぶりもハンパありません。アカデミー
主演男優賞を獲得した『ダラス・バイヤーズクラブ』では、エイズ患者になり
きるために21キロの大減量をしましたが、今回はダメ中年を演じるために大増
量＆ハゲ。次はどんな姿で登場するのやら。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（86点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年6月1日（木）TOHOシネマズ シャンテにて。午前11時の回
[「こ」のページ]
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