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IT／イット
"それ"が見えたら、終わり。（IT）
（2017年 アメリカ）（上映時間2時間15分）
監督：アンディ・ムスキエティ
出演：ジェイデン・リーバハー、ビル・スカルスガルド、ジェレミー・レイ・
テイラー、ソフィア・リリス、フィン・ウォルフハード、ワイアット・オレフ、
チョーズン・ジェイコブズ、ジャック・ディラン・グレイザー、ニコラス・ハ
ミルトン、ジャクソン・ロバート・スコット
＊丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/
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＜ストーリー＞
1988年、アメリカの田舎町デリーでは、子供が次々に行方不明になる事件が起
きていた。内気で病弱な少年ビルの弟ジョージーも、ある大雨の日に外出し、
おびただしい血痕を残して姿を消した。弟の失踪に責任を感じていたビルはあ
る時、目の前に現れた「それ」を見てしまい恐怖にとりつかれる。不良少年た
ちからイジメの標的にされている子供たちも、何かに恐怖を感じるたびに「そ
れ」に遭遇していた。ビルは彼らと協力して、「それ」に立ち向かい事件の真
相に迫ろうとするのだが……。
＜レビュー＞
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少年少女の冒険＆友情＆成長物語とホラーの融合
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スティーヴン・キングのベストセラー小説の映画化です。タイトルにある「I
T」＝「それ」とは何でしょう？ 実は、すぐにその答えがわかってしまいます。
冒頭に描かれるのは、内気で病弱な少年ビルと弟ジョージーのエピソード。ビ
ルはジョージーのために紙で船を作ってあげます。ジョージーは雨の中、それ
を持って外で遊びます。しかし、激しい雨に流されて船は道端の排水溝に。ジ
ョージーがのぞくと、そこにいたのは不気味なピエロ。言葉巧みにジョージー
の心をつかみ、その後に彼に襲いかかります。そうです、こいつこそが「そ
れ」なのです。
こんなに早く正体をばらしていいのかと思ったのですが、心配は無用でした。
その後も様々な仕掛けで観客を怖がらせます。わかっていても、怖くなってし
まうのだから大したものです。
ジョージーはおびただしい血痕を残して姿を消します。ビルは彼の失踪に責任
を感じます。そんな彼と仲良しなのは、不良少年たちにいじめられている子供
たち。
というわけで、ビルは仲間とともにジョージーや行方不明になったその他の子
供たちを見つけ出し、事件の真相を探ろうと動き始めます。それを通して、少
年少女の冒険＆友情＆成長物語を描いていきます。それは、あたかも「スタン
ド・バイ・ミー」とも共通する世界です。
ただ怖いだけのホラーならいくらでもありますが、この映画は違います。この
映画の少年少女は、いじめや家庭の問題などで恐怖を抱えたまま身動きをとれ
ません。それとは別の究極の恐怖を体験することによって成長を果たすという
構図が効果的です。
とはいえ、この映画最大の要素はやはりホラー。ビルは目の前に現れた「そ
れ」を見てしまい恐怖にとりつかれます。いえいえ、ビルだけではありません。
仲間たちも、自分の部屋、学校、町の中など何かに恐怖を感じるたびに現実な
のか、幻覚なのかわからない恐怖体験をします。
そんな恐怖のヤマ場は、井戸のある廃屋敷での場面。ビリーたちはそこに入り
込み、家の中を探ります。そこでの恐怖は完全にお化け屋敷の世界。次々に恐
ろしい現象が、絶妙のタイミングで子供たちを襲い、あわやの場面が連続しま
す。
しかも、ヤマ場はもう一度訪れます。二度目の廃屋敷での場面は一度目を上回
る壮絶さです。
ただし、「それ」の本当の素顔は最後まで不明。それが現実なのかさえわかり
ません。
と思ったら、この映画には登場人物の大人時代を描いた続編が用意されている
模様。はたしてどうなるのやら。楽しみなような不安なような……。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（86点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年11月24日（金）ヒューマントラストシネマ渋谷にて。午後1時20分の回
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