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人生はシネマティック！（THEIR FINEST）
（2016年 イギリス）（上映時間1時間57分）
監督：ロネ・シェルフィグ
出演：ジェマ・アータートン、サム・クラフリン、ビル・ナイ、ジャック・ヒ
ューストン、ヘレン・マックロリー、エディ・マーサン、ジェイク・レイシー、
レイチェル・スターリング、ポール・リッター、ジェレミー・アイアンズ、リ
チャード・Ｅ・グラント
＊新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開
ホームページ http://jinsei-cinema.jp/
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＜ストーリー＞
1940年、第二次世界大戦下のロンドン。コピーライターの秘書として働いてい
たカトリン（ジェマ・アータートン）は、人手不足のため代理で書いたコピー
が情報省映画局の特別顧問バックリー（サム・クラフリン）の目に留まり、戦
意高揚を目的としたプロパガンダ映画の脚本家に採用される戸惑いつつも初め
ての仕事にチャレンジするカトリン。だが、製作が開始されると、政府や軍に
よる無理難題、ベテラン役者のわがままなど、多くの困難が待ち受けていた…
…。
＜レビュー＞
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映画の脚本家に抜擢された女性の自立と愛のドラマ
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クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』でもおなじみのダンケルクの
戦い。フランスのダンケルクでドイツ軍に包囲された英軍兵士40万人を、軍艦
はもとより、民間の船舶も総動員して救出した歴史に残る撤退作戦です。
そのダンケルクの戦いをテーマにした映画の製作チームに参加した女性を描い
た映画です。
時代は1940年。第二次世界大戦下のロンドン。ドイツ軍の空爆が続く中で、政
府は国民を鼓舞するプロパガンダ映画の製作に力を入れていました。その一方
で、映画界は度重なる徴兵で人手不足に陥っています。そんな中で登場するの
が主人公のカトリン。コピーライターの秘書として働いていた彼女ですが、人
手不足のためコピーライターの代理で書いたコピーが情報省映画局の特別顧問
バックリーの目に留まり、プロパガンダ映画の脚本家に採用されます。
その映画は、ダンケルクの撤退作戦でイギリス兵の救出に尽力した双子の姉妹
の実話をもとにした作品。カトリンはバックリーとパーフィットとともに3人の
共同で脚本化に挑戦します。
こうして脚本作りから撮影へと、ダンケルクの戦いを題材にした映画の製作現
場を描く内幕もののドラマが進行します。戸惑いつつも初めての仕事にチャレ
ンジするカトリン。だが、製作が開始されると、政府や軍による無理難題、ベ
テラン役者のわがままなど、多くの困難が待ち受けています。
というわけで、ドラマの大半は映画撮影の内幕が描かれるのですが、もう一つ
の大きなドラマがあります。カトリンは正式な結婚こそしていないものの内縁
の夫がいます。戦争の負傷兵で今は売れない画家をしています。
以前は彼の意向に対して従順な女性として振る舞っていたカトリン。しかし、
映画の脚本家という職を得て、仕事にまい進するうちに自立の芽が芽生えます。
それに並行して、カトリンとバックリーの間には、単なる仕事仲間という以上
の感情が生まれ始めます。つまり、この映画はカトリンという女性の自立と愛
のドラマでもあるわけです。
『１７歳の肖像』がアカデミー作品賞などにノミネートされたこともあるロ
ネ・シェルフィグ監督は、そんなカトリンのドラマを劇中劇（新作映画の完成
途上の映像）とリンクさせながら描きます。
やがて映画の終盤に関して大きな難題が持ち上がり、脚本作りはストップして
しまいます。それを救ったのがカトリンです。そして同時にカトリンは新たな
愛を獲得します。しかし……。
カトリンの新たな旅立ちを告げて映画は終わります。ラストは温かく清々しさ
に満ちています。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（87点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年11月12日（土）ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後1時55分の回
[「し」のページ]
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