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ライフ（LIＦＥ）
（2017年 アメリカ）（上映時間1時間44分）
監督：ダニエル・エスピノーサ
出演：ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノ
ルズ、真田広之、アリヨン・バカレ、オルガ・ディホヴィチナヤ
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.life-official.jp/
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＜ストーリー＞
世界各国から集められた6人の宇宙飛行士が活動する国際宇宙ステーション（Ｉ
ＳＳ）。ある日、火星から帰還した無人探査機を回収した彼らは、火星の土壌
の中に未知の生命体の細胞を発見する。その生命体は彼らの予想を遥かに超え
るスピードで成長し、高い知性も見せ始める。宇宙飛行士たちは世紀の大発見
に興奮する。だが、まもなく生命体は宇宙飛行士たちを襲いはじめる……。
＜レビュー＞
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ハラハラドキドキの波状攻撃が持ち味のＳＦスリラー
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ハラハラドキドキ感満載のＳＦスリラーです。監督は『デンジャラス・ラン』
『チャイルド44 森に消えた子供たち』のダニエル・エスピノーサ。
冒頭に描かれるのは宇宙空間の映像。星々がひしめくその姿は美しいというよ
りも、何やら不穏です。そこに飛んでくる飛行体。しかし、何かの物体と衝突
します。
続いて登場するのは国際宇宙ステーション（ＩＳＳ）。宇宙に473日間も滞在し
ているアメリカ人医師デビッド・ジョーダン、疾病対策センターから派遣され
た検疫官のミランダ・ノース、エンジニアのローリー・アダムス、ロシア人女
性司令官のエカテリーナ・"キャット"・ゴロフキナ、日本人システム・エンジ
ニアのショウ・ムラカミ、宇宙生物学者のヒュー・デリーという世界各国から
集められた宇宙飛行士が活動しています。
ある日、彼らは火星から帰還した無人探査機を回収するミッションに挑みます。
しかし、冒頭で描かれたように、その探査機は衝突により軌道が変わったため、
デビッド・ジョーダンが船外に出て、ロボットアームを操作してキャッチしな
ければいけません。それはかなり危険な任務。はたしてデビッドは無事に帰還
することができるのか？？？
まさにハラハラドキドキ感あふれる展開。しかし、これはまだ序の口です。続
いて、その無人探査機が採取した火星の土壌の分析が始まります。そして、そ
こに生命体が存在していることが判明します。とはいえ、いわゆる宇宙人のよ
うなものではありません。肉眼では見えない細胞です。
その細胞は全く動きません。担当のヒュー・デリーは温度を変えたりして、何
とか動かそうとします。はたして生命体は動くのか？？？
そこでまたしてもラハラドキドキの展開になるわけです。こうしてハラハラド
キドキ感の波状攻撃が、最初から最後まで続くのがこの映画のスゴイいところ。
「火星で生命体発見！」のニュースは、地球で大反響を巻き起こし、宇宙飛行
士たちは勇んで研究に着手します。ところが、まもなく、またしてもハラハラ
ドキドキの展開が訪れます。しかも、今度はけた外れです。
最初はただの単細胞と思われた生命体。しかし、もっと複雑であることがわか
ります。宇宙飛行士たちの予想を遥かに超えるスピードで成長し、高い知性も
見せ始めます。そんな中、生命体はひょんなことからまた動かなくなってしま
います。それを動かそうとして、乗組員が電気ショックを加えたところ……。
ギャー！！！
どんどん成長し、凶暴化して、ＩＳＳの船内はもちろん、船外でも宇宙飛行士
たちを襲い始める生命体。そこからあの手この手で、必死に逃げようとする宇
宙飛行士たち。しかし、あまりにも無敵で何をやっても死なない生命体によっ
て、1人、また1人と殺されていきます。
ネタ的には『遊星からの物体Ｘ』や『エイリアン』あたりと似ているため、既
視感は否めません。それでも、最新のビジュアルを使いつつ、あの手この手で
飽きさせません。
何といっても生命体のビジュアルが強烈です。最初はミクロの細胞だったのが、
クリオネのような小動物になり、やがてヒトデかタコのような怪異な外見と動
作へ変貌を遂げていきます。
一方、深い人間ドラマこそないものの、軍人としてシリアに赴いた経験を持つ
デビッド、子供が誕生したばかりのムラカミ、難病で下半身マヒのデリーなど、
宇宙飛行士たちが背負ったものを少しだけ見せて、彼らのその後の言動に説得
力を持たせるあたりも、なかなか抜かりのない演出です。
この映画で最も怖いのは、エンディングかもしれません。なにが起きるかは伏
せますが、「おいおい勘弁してくれよ！」と言いたくなるような結末です。あ
りがちなネタなれど、途切れないハラハラドキドキ感と恐怖で、キチンと元が
取れる映画に仕上げています。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（85点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年7月10日（月）新宿ピカデリーにて。午前11時30分の回
[「ら」のページ]
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