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マギーズ・プラン−幸せのあとしまつ−（MAGGIE'S PLAN）
（2015年 アメリカ）（上映時間1時間33分）
監督：レベッカ・ミラー
出演：グレタ・ガーウィグ、イーサン・ホーク、ジュリアン・ムーア、ビル・
ヘイダー、マーヤ・ルドルフ、トラビス・フィメル、ウォーレス・ショーン
＊新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開
ホームページ http://maggiesplan.jp/
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＜ストーリー＞
ニューヨークの大学で働くアラサー女性のマギー（グレタ・ガーウィグ）は、
恋愛下手でいまだに一人。そんなある日、マギーは妻子持ちの文化人類学者ジ
ョン（イーサン・ホーク）と出会い親しくなる。仕事一筋の妻ジョーゼット
（ジュリアン・ムーア）に愛想を尽かしたジョンは離婚を決意し、マギーと再
婚する。３年後、かわいい娘も生まれて幸せそうに見えた2人だが、マギーはジ
ョンとの生活に不安を感じる。そんな中、ジョーゼットと親しくなったマギー
は、ジョンを彼女に返す計画を思いつく……。
＜レビュー＞
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軽快で笑いに満ちたニューヨークの三角関係
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ニューヨークで暮らす男女の奇妙な三角関係を描いたインディーズ映画です。
とはいえ、ドロドロの三角関係というわけではありません。軽快で笑いに満ち
たコメディー映画です。
主人号は大学で働くアラサー女性のマギー。恋愛下手で同じ相手と半年も続か
ず、いまだに独身です。そのため、人工授精でシングルマザーになることを決
意します。いざそれを実行しようと思った時に現れたのが、同じ大学で教える
文化人類学者のジョン。ジョンは妻子持ちですが、妻は有名な学者で仕事一筋。
2人は親しくなり、ジョンは離婚してマギーと結婚します。
この映画の魅力はユーモアとウィットにとんだセンスの良い会話。いかにも都
会的なのと同時に、それぞれの人物の本音がチラリチラリと垣間見えます。ジ
ョンが書いている小説を使って、マギーが小説にのめり込むのと同時にジョン
に心を奪われるという展開も効果的です。
後半に描かれるのは3年後の出来事。ジョンとマギーの間には、かわいい女の子
が誕生しています。しかし、ジョンの前妻ジョーゼットが忙しいため、マギー
は時々前妻との間の2人の子供まで面倒まで見ます。しかも、マギーは仕事を続
け、ジョンは小説の執筆に専念していますが、それがいつまでたっても完成し
ません。おまけにジョンはいまだにジョーゼットと連絡を取り、相談に乗った
りしています。
そんなこんなで「この結婚は間違いだった」「ジョンはジョーゼットのところ
にいるほうが幸せだ」と確信したマギーは、ジョーゼットに協力してもらい、
ジョンを彼女のところに返す計画を敢行します。
後半もサエた会話が続きます。何度もクスクス笑ってしまいました。そして、
表面的には笑いながらも、内心は裏腹のマギーの心理が巧みに表現されていま
す。彼女とジョーゼットが屈折した感情を持ちつつ、距離を縮めていくところ
もよく描かれています。
さてさて、マギーの作戦は、学会を利用して2人を復縁させようとするもの。そ
こで雪の中で2人が迷子になるところが印象的。大枠はマギーの計画によって動
く復縁劇ですが、予期せぬことも起きるわけです。それによってラストの結末
が納得できるものになります。
マギーの計画はストレートに成功とはいきませんが、最後には心の温まる結末
が待っています。そして、マギー自身の今後に期待を抱かせる仕掛けも用意さ
れています。
この映画の登場人物は欠陥だらけの人間ですが、自分なりに反省したり、少し
でも良い方向に進もうとポジティブに生きています（もちろん、それが失敗す
ることもあるわけですが）。だから、嫌いになれないんです。おかげで観終わ
って温かな気持ちになりました。
マギー役のグレタ・ガーウィグは、『フランシス・ハ』でも素晴らしい演技を
見せていましたが、今回も抜群の存在感です。ジョン役のイーサン・ホーク、
ジョーゼット役のジュリアン・ムーアは、さすがに貫禄の演技でした。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（87点）
（田中ひろあき）
2017年1月25日（水）ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後12時10分の回
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