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マグニフィセント・セブン（THE MAGNIFICENT SEVEN）
（2016年 アメリカ）（上映時間2時間13分）
監督：アントワーン・フークア
出演：デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、ヴィン
セント・ドノフリオ、イ・ビョンホン、マヌエル・ガルシア＝ルルフォ、マー
ティン・センスマイヤー、ヘイリー・ベネット、ピーター・サースガード
＊丸の内ピカデリーほかにて全国公開
ホームページ http://www.magnificent7.jp/
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＜ストーリー＞
西部開拓時代。冷酷な悪徳実業家バーソロミュー・ボーグ（ピーター・サース
ガード）が牛耳る町。ボーグに夫を殺されたエマ（ヘイリー・ベネット）は、
サム（デンゼル・ワシントン）と名乗る賞金稼ぎの男を雇い、町を救ってほし
いと依頼する。サムは、ギャンブラー、流れ者、ガンの達人など7人のアウト
ローを集めて、ボーグ率いる悪党軍団に無謀とも思える戦いを挑んでいく……。
＜レビュー＞
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あの名作を原案にした痛快娯楽活劇
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黒澤明監督の傑作時代劇『七人の侍』（1954）と、それをハリウッドリメイク
した西部劇『荒野の七人』（1960）を原案にした西部劇です。
西部開拓時代の小さな町。冷酷な実業家のバーソロミュー・ボーグが街の資源
を独占しようとして、暴力の限りを尽くしています。彼に夫を殺されたエマは、
町の全財産を差し出して賞金稼ぎのサムを雇い、復讐と正義を実現するように
依頼します。サムは7人のアウトローを雇って、ボーグの軍団と対決します。
話の大枠は『七人の侍』や『荒野の七人』と同じですが、いろいろと細かな工
夫をして、最後まで飽きずに楽しめる映画に仕上げています。
まず目を引くのがボーグの悪党ぶり。なにせアウトローＶＳ悪党の戦いなので、
悪党を徹底して悪く見せないといけないわけです。その点、ピーター・サース
ガード演じるボーグは、まさに憎たらしいぐらいの悪党。子供の手を瓶の中に
突っ込ませるシーンなんて、背筋ゾクゾクものの怖さです。
そして、彼と対決する7人の男たちのキャラも立っています。賞金稼ぎのサムは、
何だかいろんな肩書きを並べ立てて、いわくありげな人物。銃の名手のグッド
ナイトも、心に傷を抱えています。その他にも、ギャンブラー、流れ者、謎の
アジア人、はては先住民までが仲間に加わります。拳銃、斧、ナイフ、弓矢な
どそれぞれ得意な武器があるのも面白いところ。
おまけに、彼らを演じるのが、デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、
イーサン・ホーク、ヴィンセント・ドノフリオ、イ・ビョンホンといった個性
豊かな俳優ですから。彼らの競演を見ているだけでも楽しくなるわけです。
もちろん最大の見せ場はアクションです。最初は町に着いたばかりの7人が、
ボーグの一派を駆逐するシーン。20数人をド派手なバトルで次々に倒すシーン
は迫力満点。
そしてクライマックスは、いよいよボーグ本人と彼が率いる大軍団との戦い。
ここでは炭鉱が近いこともあって、ダイナマイトも炸裂します。サムたちが仕
掛けた巧妙な仕掛けが、次々に敵をやっつけます。しかし、そこで登場するの
が、ボーグ軍団の秘密兵器のガトリン銃。サムたちは窮地に追い詰められます。
はたして、その運命は……。
『七人の侍』や『荒野の七人』と同様に、激しい戦いの中でサムたちアウト
ローは、一人、また一人と死んでいきます。しかし、そこでも見せ場がたっぷ
り用意されています。
ラストはボーグによって焼かれた教会での対決。そこでサムを救うのはあの女
性。ここもなかなかの見せ場です。
あえて言えば、最初は金目当てで雇われたはずのサムですが、デンゼル・ワシ
ントンのいい人キャラのおかげで、訳ありなのが初めから見え見えなこと。実
際に、ラストにはこの戦いが彼にとって違う意味を持っていたことが明かされ
ます。
とはいえ、けれん味タップリの娯楽活劇で、観応えは十分です。難しいことを
考えずに楽しめます。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆（＋1／2★）
（83点）
（田中ひろあき）
2017年1月27日（金）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時45分の回
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