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女神の見えざる手（MISS SLOANE）
（2016年 アランス・アメリカ）（上映時間2時間13分）
監督：ジョン・マッデン
出演：ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ググ・ンバータ＝ロー、
アリソン・ピル、マイケル・スタールバーグ、ジェイク・レイシー、サム・ウ
ォーターストン、ジョン・リスゴー
＊TOHOシネマズシャンテほかにて全国公開
ホームページ http://miss-sloane.jp/
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＜ストーリー＞
大手ロビー会社"コール＝クラヴィッツ＆Ｗ"で働くエリザベス・スローン（ジ
ェシカ・チャステイン）は、目的のためには手段を選ばない姿勢と、巧妙な戦
略によって花形ロビイストとして活躍していた。ある日、エリザベスは銃規制
法案の成立を阻止してほしいという依頼を断り、銃規制推進の小さな新興ロ
ビー会社に部下とともに移籍する。大胆かつ巧妙なロビー活動によって、銃規
制法成立に前進するエリザベスだったが……。
＜レビュー＞
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驚愕のラストが待っている銃規制をめぐる社会派サスペンス
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アメリカの銃規制をめぐる事情を背景にした社会派サスペンスです。
主人公のエリザベス・スローンは花形ロビイスト。だが、映画の序盤で彼女は
上院の聴聞会に呼ばれます。どうやら何かやらかしたらしい。いったい何があ
ったのか。聴聞会の行方とともに、その過去の出来事を描いていきます。
エリザベスは、大手ロビー会社"コール＝クラヴィッツ＆Ｗ"に勤務していまし
た。ある日、銃擁護派団体から新たな銃規制法案の成立を阻止してほしいとい
う依頼を受けます。だが、彼女はこれをきっぱりと拒否します。
そんな時に、銃規制法案の成立を目指して活動する小さな新興ロビー会社のＣ
ＥＯ、シュミットから移籍の誘いを受けたエリザベスは、部下を引き連れて移
籍し、銃規制法成立へ向けた活動を開始します。
エリザベスの仕事ぶりがすごい。目的のためには手段を選ばず、敵の弱点を調
べ上げて、そこを効果的に突いていきます。法的、倫理的に危ないことも平気
で実行します。議員への接待や贈り物はもちろん、盗聴や盗撮もいとわないの
です。
その一方で、私生活では問題も抱えています。24時間稼働中ともいえるような
生活の中で薬に依存し、金で男性を買って欲望を満たしています。それでも、
人前で弱みを見せることはありません。
エリザベスを演じるのは『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャステイ
ン。全身ビシッと決めたファッションとメイクで、ほとんど笑顔を見せること
なく、ひたすら前に進んでいきます。その圧倒的なカッコよさがスクリーン全
体に緊張感を与えます。実に素晴らしい演技です。
『恋におちたシェイクスピア』『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』の
ジョン・マッデン監督は、そんなエリザベスと敵陣営との対決をスリリングか
つテンポよく見せます。
エリザベスの活躍で銃規制法案支持派が勢いを増しますが、その過程ではトラ
ブルも起きます。テレビ番組に出演したエリザベスは、部下の秘密をばらして
しまい、それが大きな事件に発展します。そのあたりから、エリザベスの苦悩
もチラチラと見え始める。
そんな中、エリザベスがかつて在籍していたロビー会社が反撃を試みます。彼
女の弱点を探し、それをネタに上院で聴聞会を開かせようというのです。
というわけで、終盤には、冒頭から断続的に登場していた聴聞会の結末が描か
れます。そこではエリザベスにまつわる様々なことが暴露され、絶体絶命のピ
ンチに陥ってしまいます。
彼女の最後の意見陳述では、多くの反省の言葉が述べられます。ついに彼女も
年貢を納めたのか。そう思った瞬間、エリザベスが起死回生の逆転打を放ちま
す。それも予想もしない人物を使って仕組んだ、あまりにも巧妙な策略によっ
てです。
ここに至って、観客はサスペンスドラマとしてのカタルシスを間違いなく味わ
うことでしょう。文句なしに面白いドラマです。
題点が、様々な形で表れていま
す。政治家も無茶苦茶なら、それを取り巻くロ
同時に、そこにはアメリカの銃規制の現状の問ビイストたちも無茶苦茶。これ
では銃規制など、そう簡単には進まないでしょう。そう思わされる映画でした。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆（＋1／2★）
（93点）
（田中ひろあき）
2017年11月8日（水）TOHOシネマズシャンテにて。午後1時10分の回
[「め」のページ]
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