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ナイスガイズ！（THE NICE GUYS）
（2016年 アメリカ）（上映時間1時間56分）
監督：シェーン・ブラック
出演：ラッセル・クロウ、ライアン・ゴズリング、アンガーリー・ライス、マ
ット・ボマー、マーガレット・クアリー、キース・デヴィッド、ボー・ナップ、
ヤヤ・ダコスタ、キム・ベイシンガー
＊新宿バルト9ほかにて全国公開
ホームページ http://www.niceguys-movie.com/
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＜ストーリー＞
妻を亡くして酒浸りの日々を送るシングルファーザーの私立探偵マーチ（ライ
アン・ゴズリング）。ある日、死んだポルノ女優の捜索依頼をきっかけに、腕
力で揉め事を解決する示談屋ヒーリー（ラッセル・クロウ）に強引に相棒にさ
れ、失踪した少女の捜索を開始する。そこに13歳で車の運転までこなすマーチ
の娘ホリー（アンガーリー・ライス）が加わり、3人で捜索を進めていくうちに、
巨大な権力の陰謀に絡む事件に巻き込まれていく……。
＜レビュー＞
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アナログな魅力満載の70年代風バディ・ムービー
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1977年のロサンゼルスを舞台にした私立探偵と示談屋によるバディ・ムービー
です。
冒頭は、事件の端緒となるポルノ女優の事故死が描かれます。続いて、登場す
るのがラッセル・クロウ演じる示談屋のヒーリー。未成年とつきあう男をいき
なりボコボコにするなど、腕力にものを言わせて依頼をこなします。それにし
てもラッセルの大増量ときたら。一瞬、本人と気づかないぐらいです。
そして、今度はライアン・ゴズリング演じる私立探偵のマーチが登場。こちら
はスーツを着たまま、バスタブに浸かって眠っています。彼は奥さんを亡くし
てから酒浸りの日々を送るシングルファーザー。この2人のキャラの立ち方が素
晴らしい！
マーチは、死んだはずのポルノ女優の捜索依頼を受けます。その過程でアメリ
アという若い娘の存在にたどり着くのですが、自分を探られたくないアメリア
の依頼を受けたヒーリーにボコボコにされてしまいます。ところが今度は、
ヒーリー自身がアメリアを捜す男たちに襲われたことから、ヒーリーは嫌がる
マーチを相棒にしてアメリア捜しに乗り出します。
この映画、1977年が舞台ということで、70年代風のファッションや音楽、風俗、
文化などが満載です。それを70年代風の映画で描くアイデアが秀逸。アクショ
ンももちろん70年代風。銃撃も、格闘も、CG全盛の今とは違うアナログな魅力
がタップリです。70年代を知る人には懐かしく、そうでない人には新鮮に映る
ことでしょう。
そして何よりも魅力的なのが、マーチとヒーリーの凸凹コンビ。ひたすら武骨
なヒーリーと、気弱だけどなぜか不死身のマーチ。それぞれの対照的なキャラ
を活かした会話が笑えます。さらに、2人の間でいい味を出しているのが、アン
ガーリー・ライス演じるマーチの娘ホリー。13歳なのに父親に代わって車を運
転し、大人びた会話をする彼女が、ダメダメなマーチとヒーリーを正しい道に
導きます。
前半は映画プロデューサーのゴージャスなパーティーがハイライト。そこで、
マーチが死体を発見したことを皮切りに、1本の映画にまつわる連続殺人事件に
巻き込まれた2人は、やがて巨大な権力犯罪に行き当たります。
後半のクライマックスは自動車ショーでの大立ち回り。ハラハラの展開が続き
ます。そして、ここでもアナログなアクションが炸裂します。
ストーリー展開はエンタメ映画の王道。「まさかあの人物が……」という意外
なワルの素顔など、ありがちな展開が続くのですが、それをちっともありがち
に思わせないから見事なもの。笑いとアクションを絶妙に配し、人間ドラマも
チラリと見せる。「痛快エンタメ映画」という表現が、これほど似合う映画は
ないでしょう。
映画のラストでは、マーチか自分とヒーリーの似顔絵の入った新しい私立探偵
のチラシを見せます。これを見たら、続編を期待するなというほうが無理。ぜ
ひもう一度名コンビぶりを見せて欲しいものです。
まあ、そうするとラッセル・クロウはまた太らなくちゃいけないわけですけど。
≪ぽちの満足度≫
★★★★☆
（90点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年2月22日（水）ヒューマントラストシネマ渋谷にて。午後2時10分の回
[「な」のページ]
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