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リングサイド・ストーリー
（2017年 日本）（上映時間1時間44分）
監督：武正晴
出演：佐藤江梨子、瑛太、有薗芳記、田中要次、伊藤俊輔、奈緒、村上和成、
高橋和也、峯村リエ、武藤敬司、武尊、黒潮"イケメン"二郎、菅原大吉、小宮
孝泰、前野朋哉、角替和枝、近藤芳正、余貴美子
＊新宿武蔵野館、渋谷シネパレスほかにて全国公開
ホームページ http://ringside.jp/
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＜ストーリー＞
江ノ島カナコ（佐藤江梨子）には10年付き合い同棲中の彼氏・村上ヒデオ（瑛
太）がいる。しかし、ヒデオは売れない役者でヒモ同然の生活を送っていた。
そんなある日、カナコは勤め先の弁当工場をクビになってしまう。そこでヒデ
オはプロレス団体が人員募集していることを知り、カナコを無理やりそこに就
職させる。働き始めたカナコはプロレスの世界に魅了され。生き生きと輝きだ
すのだが、それを見たヒデオはカナコが浮気していると勘違いし、嫉妬のあま
りとんでもない事件を起こしてしまう。そのケリをつけるべく、K-1チャンピオ
ン・和希との一騎打ちをするハメになるヒデオだったが……。
＜レビュー＞
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彼女の浮気を疑ったダメ俳優がリングに上がる
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『百円の恋』の武正晴監督によるラブコメ映画。冒頭では力道山以来の日本の
プロレスの歴史を紹介。そこから主人公の江ノ島カナコが、勤め先の弁当工場
を突然首になる展開へとなだれ込みます。
カナコには10年付き合って同棲中の彼氏・村上ヒデオがいます。7年前には大河
ドラマに出たりしたものの、今はまったく売れない役者で、ヒモ同然の生活を
送っています。
そんな中、カナコは新たな仕事を探しますが、プロレス団体が裏方のスタッフ
を募集していることを知ったプロレス好きのヒデオは、勝手に志望動機を送っ
たりしてカナコを無理やりそこに就職させます。
こうして戸惑いつつ働き始めたカナコですが、すっかりプロレスの世界に魅了
されて生き生きと輝きだします。
というわけで、武藤敬司などプロレスラーが続々登場。練習や試合シーンもあ
るし、プロレスの舞台裏も目撃できます。それだけに、プロレスファンにはた
まらない映画ではないでしょうか。
こうして輝きだしたカナコですが、それを見たヒデオはカナコが浮気している
と勘違いします。そして、嫉妬のあまりとんでもない事件を起こしてしまいま
す。それによって、カナコはプロレス団体を自ら辞めます。
ところが、その次にカナコが就職したのはＫ−1の主催団体。なので、ここから
は武尊はじめＫ−1選手も登場。どこまでも格闘技がついて回る映画です。
しかし、相変わらずダメ男のヒデオは、またしてもカナコが浮気しているもの
と誤解。またまたとんでもない事件を起こしてしまいます。そして、そのケリ
をつけるべく、Ｋ−1チャンピオン・和希との一騎打ちをするハメになるのです。
俳優が格闘技のリングに上がるという奇想天外な展開。しかし、残念ながら物
足りなさが残ります。この手のドラマなら、トレーニング風景の面白さや迫力
をもっとしっかり見せて欲しかったところです。
肝心の試合もセコイ。入場シーンで盛り上げに盛り上げて、それであの試合は
ないでしょう。現実に素人がリングに上がればあんなものでしょうが、せめて
もう少し工夫して「ミジメだけどカッコよかった」と思わせてくれないと。
そしてもう一つ、物足りないのがカナコとヒデオの人間ドラマです。2人の苦悩
や葛藤、行動の原点となった過去などがきちんと描かれていません。特にヒデ
オの内面の変化がほとんど感じられません。
とまあ、いろいろ注文を付けてしまいましたが、気楽に観る分にはモトをとれ
る映画かもしれません。何よりもユーモアにあふれたケレン味タップリの展開
が楽しいところ。瑛太の半端でないダメ男ぶり、サトエリのアクティブなカッ
コよさも魅力。
≪ぽちの満足度≫
★★★☆☆
（78点）
（田中ひろあき）
〔鑑賞データ〕
2017年10月18日（水）新宿武蔵野館にて。午後12時20分の回
[「り」のページ]
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